金属中毒

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デートマニュアル

2009-03-09 14:09:05 | 鋼の錬金術師
フレッチャーが帰宅したとき、兄はハボックとお茶にしていた。
「だから、最初のデートは気心の知れた相手、幼馴染が気を使わなくて一番いい。そうすりゃどじっても平気だろ」
「幼馴染か、俺にはそういうのはいないから」
「何言ってやがる。お前なら選び放題だろ」
ハボックは軍の秘書課の女性達や、ラッセルのことをかわいがっているご婦人方を考えていた。
フレッチャーは自分のカップにお茶を注ぎながらハボックに聞いてみる。
「ハボックさんは初めてのデート、誰としたの?幼馴染?」
右のほほにえくぼをうかべてフレッチャーは話を振る。
後で思えばそんなどーでもよいことなんか訊かずに、何か考えているらしい兄に訊くべきだった?誰を考えているの?エドワードさん?それとも?
「へへ、俺はな村1番のでか胸のマリーと」
「デートして30分でひっぱたかれて振られたと。フレッチャー、ハボックの話を聞いても女は口説けないぞ。聞くのなら私に聞きなさい。手取り足取り実践で教えてやろう」
「えーっと、僕はそういうのあまり興味がないから」
「女の子をダース単位で数えるようなお付き合いは、本当の好きじゃないと思う」
「おぁ、少年いい事言うな」
ハボックがフレッチャーの背中をたたく。この頃まだ小柄だったフレッチャーは、ソファーから落っこちそうなほど飛び上がる。
「ハボックは東方時代ふられのジャンと言われていてな、付き合う女どれも1月もたなかった」
「俺のデートの相手にちょっかいかけてじゃましたのは、大佐あんたでしょうが」
「ふふん、私の魅力は太陽のようにに全ての女性に平等に与えられるのだ」
「あ、だから雨の日は」
邪気の無い顔で毒を吐くフレッチャーの口に、ロイが大型のカップケーキを押し込む。
「どうせ、俺はがさつで女心を解しませんよ」
「お前は女の選び方が悪いんだ。Dカップ以上しか見ていないだろう」
「大佐、男と生まれたからにはあの柔らかな谷間で窒息したいと」
「思わないな。成長過程の愛らしい乙女を好みの女に育てる醍醐味を知らないとは。そもそも女性の魅力とは」
ロイが言いかけたときエドワードが入ってきた。
とたんに女談義は消滅した。かわいいお子様のエドの前でアダルトな話題はふさわしくない。
この館の住人にとってエドワードは穢れなき黄金の光の天使だ。
そして誰も気にしていないが、ラッセルはエドワードより1歳下、フレッチャーに至っては3歳も下なのだが。

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