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プロポーズ小作戦46

2009-04-23 12:14:13 | コードギアス
プロポーズ小作戦46

人気の無い小部屋に入り、鍵を掛け、寝台に下ろし身体を締め付けるパイロットスーツを脱がす。洪古の手に星刻の背が触れる。はっきりとわかる異物感。でこぼこの手触り。星刻の背には皮膚移植以外では直せないほどの傷跡がある。鞭、やけど、刺し傷、つまりは拷問の痕。
拷問したのは悪逆皇帝。
世間ではそう思われている。
事実は。
星刻は何も言わない。
ただ、ゼロ革命(ゼロ・レクイエム)の日、星刻の背を応急処置した医師は「あの傷跡は2ヶ月程度ではない。何年も続けてやられていたはずだ」とコメントしている。

星刻の呼吸は浅い。瞳は閉じられている。5分ほど酸素ボンベを宛てているとゆっくり目を開いた。

「大古」
声にされたのはまだ正式の軍人になる前に交わされた呼び名。
「天子様を頼む」
言い終えるとまた目を閉じた。

パイロットスーツを脱いだ後はいつもだが少し肌寒い。圧縮されていた筋肉が元に戻ろうと動いている感覚。星刻はこの感覚が苦手で、だから、パイロットスーツを着るのは好きだが、脱ぐのは嫌いだ。それでつい神虎を降りた後もパイロットスーツのままで、上から軍服を羽織るだけで過ごす事も多い。

ラクシャータは神(わがまま)虎(息子)の相棒を怒らない。怒っても無駄と知っているからだ。星刻のようなタイプは自分の思うままに駆けて走りぬいて、命が終わるまで生きるだけ。誰かが止めて、止まるようなら最初から走り出さない。
そういう点が本人すら知らなくても、間違いなく星刻はルルーシュの兄弟だった。

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