金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

ニュース

2010-09-13 04:10:48 | Weblog
EUの香料工場が脱税疑惑。そんな小さなニュースが新聞2面にあった。
その日の1面はマッチ工場で覚醒剤精製の大見出しであった。
 よく知られているように覚醒剤の精製には硫黄など多くの薬品が必要で、特有の臭いから多くの事件が近所からの通報で現場を押さえた。
それを逆手に取ってか、今回の犯人はマッチ工場を買い取って精製していた。
硫黄臭いのは当たり前。それなのにばれた。
なぜばれたのか。
日本人の勤勉さが裏目に出た。
買い取られたマッチ工場は倒産寸前だった。
この1年ほどは週に2日しか操業していなかった。考えてみればいまどきマッチがそう売れるはずは無い。
それが、買い取られてからは休日なしで、24時間操業。
捕らえた後警察が尋問すると「生産が間に合わないから、休日返上で24時間体制。社員全員覚醒剤を打ってがんばった」。
律義で勤勉な日本人の性格が出たわけである。

生き急ぎ

2010-09-13 02:07:07 | Weblog
中華の麒麟児と呼ばれた星刻だが、ゼロ革命後は早々に軍籍を抜けた。その後は政治家、そして世界の調整者として残り時間を過ごした。

生前の星刻は「1日で三日を生きている。」とよく言われた。これはもっとも有能な政治家とされたシュナイゼルと比較して、3倍ということである。ただ、ゼロ革命以降のシュナイゼルは以前に比べ、何かが欠けていると見られていた。星刻の3倍有能という説が、革命以前以後のどちらのシュナイゼルと比べてなのか。気になるところである。
 ところでこの「1日で三日を生きている」にはもう一つ説がある。
星刻には愛機「神虎」がいる。
この神虎には記録がある。飛行距離の最高記録である。今後100年は塗りかえられないのではと言われる突出した記録である。
神虎の記録の原因はもちろん星刻である。彼らは調整者として世界の空を飛んで回った。

ある日の記録である。
朝、4時起き(中華時間)で中華国内の仕事を片付けた後、8時に天子様に朝のご挨拶。この時、星刻は「今日は外に出ます」と言った。「外」と星刻が言うときは朱禁城の外全てをさす。それはつまり今日は天子のところにはもう来ないということである。
「しんくー、お夕食には帰って来てくれる?」
天子の言葉は疑問のかたちのおねだりであった。
星刻の当初の予定では、明日の朝のご挨拶の少し前に戻ってくるつもりであった。
それなのに星刻はなんのためらいも無く答えていた。
「はい、(夕食は)テラスに準備させましょう」
この答えに天子はうれしそうにほほ笑む。
24時間の予定を半分の12時間でこなすのは大変なハードスケジュールである。
秘書グループが大泣きし、医者が「またそんなむちゃをして死ぬ気ですか」と怒るのはわかっている。
しかしそんなものは星刻にとっては、天子が喜んでくれることに比べれば羽毛ほどの重さもない。
8時15分に愛機で飛び立ち、まずは日本へ。中華時間9時(日本時間10時に扇総理と会談し、日本時間11時には飛び立った。そのまま太平洋を越えてブリタニアまで飛ぶ。この時、日付変更線を越えている。中華時間12時にブリタニアへ。当然ブリタニアは夜中だが、政治や経済の世界はどこの国でも24時間体制である。ブリタニアを出たのは2時間後、神虎の特徴である高空性能を活かして北極上空を飛びロシアへ。この時中華時間15時30分。紛争地帯のど真ん中にいるゼロと打ち合わせをする。そんなことなら通信ですればと思われる方も多いだろう。しかし、政治には形式を整える面も必要だ、また紛争地帯でゼロと会うのは中華の威信を見せつける威嚇の意味もある。ついでに言うともうひとつの用事がある。思ったより長引く戦況のため、朝ごはんの納豆が切れてしまったゼロ・スザクに、納豆などの和食を差し入れる事。ずっこけそうな理由だが、これこそは世界を守る大切な機密なのだ。
ロシアから西へ飛び、次はブリテンへ。ブリテン王、オデッセウスに極秘に会うためである。
え、オデッセウス!生きてたの?そう思われる人の方が多いだろう。そのうちに書くがオデッセウスは奇跡の生還を成し遂げた。その後、政治的配慮やバランスからブリタニアの始祖の地。ブリテンの王に就いた。
この会談が中華時間で17時から18時30分。予定より少し早く終わったのはオデッセウスが「かわいい女の子をお待たせしては男の価値が下がるというものだよ」とさりげなく勧めてくれたおかげである。
高空飛行で飛び、アラスカの新エネルギー採掘所に降りる。ここは超合衆国の開発プロジェクトである。しかし、実質的に崩壊している超合衆国の所有する大型油田は今現在どの国の所有と言えるのか?
今のところはゼロの威光と、ロシアと中華の超法規的契約で配分比率を決めているが、ブリタニアの経済団体が所有権を主張している。今後、EUと並び戦乱の原因になりそうな油田である。
油田の現地管理者に檄を飛ばした後、中華に飛ぶ。この時中華時間で20時である。
急がなければ天子様が待っている。
星刻は安全速度を超えて高速で愛機を飛ばし、日付変更線を再び超え、21時に朱禁城に帰還。すぐさま約束のテラスに走った。
天子様は喜んで星刻に「おかえりなさい」と言う。
その一言だけで、星刻は神経をすり減らす国際政治も、高速飛行の疲れも忘れてしまう。

公館に戻ったのは10時30分。その後、中華国内の書類や訴訟をさばく。寝台に入ったのは1時である。
こうして彼は1日で三日をすごすのだ。