くじびき はずれ の 見た世界

シニア初級者というのに世間知らず。
少年のようなつぶらな瞳?
そろそろ大人の記事を書きたい毎日です。

もうひとつの「お水取り」

2014年03月08日 22時54分48秒 | 奈良学

奈良市内 ならまちに行く用事があって、ふと思い出した。

お水取りのメインイベント会場:東大寺二月堂の前にある開山堂の椿は良弁椿
別名のりこぼしと言われています。

 

前行の別火で祭壇を飾る造花の椿を作りますが、これは二月堂下の開山堂の下に咲く奈良
三銘椿の一つ「糊零し(のりこぼし)」を型どった物で2月23日の「花ごしらえ」で連行衆によっ
て作られます。

奈良市内にある老舗の和菓子屋さんは挙ってこの時期、この椿に因んだ菓子を作ります。
ならまちに行ったついでにその椿を手に入れようと少し歩いてみました。

まず最初に脇戸町にある中西与三郎さんを訪れました。 

  


<誰となく独白南無観世音 折から名残り雪>
誰もつぶやいてなかったけど・・・南無観世音。

 
                                                   一個380円
こちらの椿は南無観椿と言いかなり有名だったのですが
残念ながら臨時休業でした。 (どうも御不孝があったような感じでした。)

そこで餅井殿商店街の方へ向かって下御門(しもみかど)町のアーケードに入りました。

                        

こちらも有名な老舗:鶴屋徳満さん
こちらでは「春告げるお水取り、二月堂の椿樹は御行を清楚な佇まいで見守ります。この名
椿にちなんで生まれました。」 と 開山 良弁椿(ろうべんつばき)

             三個入り1,470円

3月12日の深夜、二月堂の本尊に供える閼伽(仏様に供える香水)を二月堂下に建っている
「閼伽井屋(あかいや)」の若狭井(わかさい)から汲み取る行事でこれを修二会全体を現す
「お水取り」になっています。

お水取の行は若狭井(閼伽水)から汲みあげた聖水を御仏にささげます。
「この清らかさをお菓子にイメージしてみました。」と言うことで 閼伽の水(あかのみず)


というのも期間限定(~3月末)で販売されていました。

最初の修二会で、毎夜の神名帳の奉読に応じ全国津々浦々の八百万ノ神が競って二月堂へ
来堂し、行法を祝福しましたが、若狭ノ国(福井県小浜市)の遠敷明神(おにゅうみょうじん)
だけが日本海の沖で魚釣りをしていて、3月1日東大寺に来られず、修二会も後2日で終わろ
うかとする12日になってから、やっと来ましたが、うっかりサボった罰として、詫びのしるしに
若狭の水を献上する事になり、二月堂下の大岩の前で一心不乱に祈って折ると、岩がパックリ
と割れて、割れ目から白と黒の二羽の鵜が飛び立ち、甘泉がこんこんと沸き出しました。
現在そこに閼伽井が掘られ、その閼伽井を若狭井と名付ました。


3月12日、13日、14日の「後夜」の終わりにある「達陀」と呼ばれる火の行法で、練行衆が
「火天役」と「水天役」の1対になり、鈴、錫杖(しゃくじょう)、法螺貝の音に合わせ、踊る様に
して勤めますが、とりわけ「火天役」は堂内で大松明を振り回し、それこそ人々の煩悩を焼き
尽くさんばかり、相対する「水天役」は水を撒き、それは実に華麗(かれい)かつ幻想的な
行事で、最後に「火天役」の持つ大きな松明が礼堂に引き出されて、三度上下した後、ドンと
ばかりに床板に打ち据えられると、人々は、凄まじく飛び散る火の粉に一瞬息を呑みます。