「でも、ほんとに不思議だわ」
深皿にシチューをよそおい、席について食べ始めたあとも、ビビアンは首をかしげた。
「なアんじゃい。まだ何かあるのかい」
ちぎったパンをほおばりつつ、ペッピーが笑う。
「コーネリアでもパペトゥーンでも、違った種族の人たちが当たり前のように一緒に生活しているけれど。もともとのご先祖様をたどれば、まるっきり違う生き物だったのでしょ? それが今は、同じ言葉を話して、同じ食卓について仲良くゴハンを食べている。こんな偶然ってあるかしら? あまりにも、出来すぎていると思わない?」
「まったく別種の生物たちが、同時多発的に知性あるものへの進化の道を歩みはじめ、互いに滅ぼしあうこともなく、共通の社会を打ちたてるまでに進歩した。これはライラット系におきた信じがたい奇跡である。ビビアン女史が仰りたいのはこういうことですかな」
「からかわないで頂戴。私は知りたいの。仮にも科学を志したものとしてね」
「そうかね。ならばワシがばあさんから聞いた話をしよう。
むかしむかし、赤ん坊から大の大人に至るまで、皆が地べたに四つ足をつけていたころの話だ。そのころのわれわれにはまだ物を作り出す知恵がなく、また世を治める分別もなかった。しかし地上には光神ライラットと呼ばれる大いなる存在がいて、この世の平静は保たれていたのだ。
その存在が、地上をはなれて天にのぼる時がやってきた。駆けるもの、這うもの、跳ねるものに飛ぶもの。どんな種族のものも一様に、大いなるものとの別れを惜しんだ。天にむかって遠ざかってゆくその存在に、行かないでくれと頼んだ。
するとその存在は言った。『わたしがここにとどまる時代はもはや終わった。これからはおまえたちがこの地上を治めるがよい。わたしのもつ智慧をおまえたちに分け与えよう。さすればいつの日か、天にのぼることもできよう』と。
そして光神ライラットはぐんぐんと昇りつづけ、ついには雲の向こうに見えなくなった。昇ってゆくライラットを見つめていた地上のものたちは、首をあげ、体を起こし、見上げつづけているうちに、気付くと後ろ足だけで直立していた。
一人のウサギが、自分が二本足で立っていることに気づいた。まわりの者たちも、お互いの姿を見あって、どよめきが起きた。そのときだ。ライラットの消えていった雲の切れ間から、光がさあっと地上に降りそそぎ……、光をあびた者たちのなかに知性の輝きが生まれた。
それからこの地上は、二つ足で歩くものたちがともに治める場所になった。とまあ、こういう話だ」
最近このhpの更新が頻繁で
とても楽しく見させていただいています!!
この調子でバンバンよろしくお願いします(礼
楽しみにしていただいてありがとうございます。
自分でも早いとこ続きを書きたいと思っているのですが、進まないときはどうしても進みません・・。
イメージを膨らませるために、材料を摂取する時間も必要です。本を読んだり映画を見たり。
気長にお待ちくださいね。
3月14日まで毎日のように訪問していたのですが、なかなか更新されないため、少し心配になっていました・・・。
確かに、イメージを作るには結構時間が必要ですよね・・・。あまり無理をせず、ゆっくりと更新を続けてくださいッ!
なんと3DのDSがでるらしいですね!!!
もしかしたらコレでスターフォックスの新作も・・・
まだ決まったわけじゃないけど
考えただけでわくわくしますね!
でるといいなぁ・・・
なかなか進めずにすみません・・・。
書くときは一気に進むんですけどね。
新作情報でもあればもっとやる気も出そうなのにな・・・。
>+ブラックローズ+さん
3DS。気になりますよ。
いったいどんな機能を持っているのか。それを使って何ができるのか・・。まだヴェールにつつまれていますね。楽しみです。