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スターフォックスの一ファンのブログ

『ユニコーンの日』

2011年06月07日 20時53分24秒 | SF星間飛行
――すなわち、モビルスーツの手足を任意に動かし、その勢いで姿勢を変えるのがAMBACシステムの原理で、同時代の兵器の中でモビルスーツが一頭地抜きん出るに至った最大の理由のひとつだった。
(『ユニコーンの日(上)』福井晴敏、角川文庫)

 『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の原作、福井晴敏先生の小説を読んでみた。
 まだ序盤だけど、もう面白いや。
 『機動戦士ガンダム』の世界を、考え抜いて作ってることにただ圧倒される。

 嬉しかったのは、冒頭に抜粋した部分。「モビルスーツがなぜ人型をしていなければならないのか」という長年の疑問に答えてくれた。
 ガンダムを知ったのは小学生の頃だけど、一体なぜこれが手足があり、顔まである兵器でなければならないのか、全く納得がいかなかった。現実世界の戦車、戦闘機、戦艦、潜水艦、どれをとってみても、人の形をして二足歩行する、なんてバカバカしいものはない。
 巷にあふれている多くのロボットアニメと同じく、「だって人型のほうがカッコいいじゃん! ロマンじゃん!」という身も蓋もない理由で片付けられるなら、それでよかったのだが。
 どうもガンダムのファン達は、そう言おうとしない。ガンダムはSFだと言い張り、単なるアニメでなく芸術作品であるような言い方をする。
 そこがどうも納得がいかなかった。

 僕はガンダムに難癖つけたいわけではないし、ガンダムが嫌いなわけではないし、むしろ好きかもしれないんだけど……『機動戦士ガンダム』という作品が、そんなにすばらしいものであるならば……「ガンダムはなんで人の形をしているの?」これくらいの疑問には、答えを用意してくれていてもいいはずだ。
 もちろんそれは、実際には嘘でも、でっちあげでもいい。ただ「特に理由なんかありませんよ」というのだけは、勘弁して欲しい――。

 そう思っていたところ、この『ユニコーンの日』のなかで、その回答に出会うことができた。
 さすがは、福井晴敏先生や――!! 言うまでもないが福井先生は『亡国のイージス』『終戦のローレライ』『戦国自衛隊1549』などの著作を持つ大作家です。
 『ユニコーンの日』上下巻を読み通したら、アニメの方も見てみようかな。


 ……ん? 待てよ。
 長年の疑問が氷解したと喜んでいたが。
 宇宙空間でモビルスーツの手足を動かし、作用反作用の法則を利用して機体を制御する。これは納得できるが、しかしモビルスーツは大気圏内でも普通に戦闘しているぞ?
 地上での白兵戦を、わざわざ二本足で歩く兵器で行う利点は何だろう。なんで三本足ではいけないのか。なんで腕が4本とか5本でなくて2本腕なのか?
 ……こうして疑問は尽きないのだった。そしてこんなことを考え続けてしまうということは、僕が既にガンダムの中に取り込まれている証拠なのかもしれませんな。


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