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スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その29

2010年02月28日 13時55分55秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 もちろん、自衛と治安維持を目的とする遊撃隊ばかりではなかった。ならず者の手先となり収奪を行う、自称・遊撃隊も数多く存在した。遊撃隊には多く星の名前が冠され、文字通り星の数ほどの遊撃隊が、名を上げようと競い合っていた。
 宇宙時代も黎明期を過ぎると、コーネリアの政情は安定し、他惑星にもコーネリア軍が駐屯し、その治安を守るようになった。ならず者は排除され、宇宙の片隅のコロニーへと追いやられた。同時に、街の自警団、あるいは用心棒だった遊撃隊も常駐する必要性をなくしていった。
 遊撃隊は街から独立し、あらたな役割を担うこととなった。物資の輸送、要人の警護、有事の際の救援。軍隊では持ち得ない俊敏性と隠密性が遊撃隊の売りであった。
 そしてやはり、その一方では、武器の密輸、要人の暗殺、金品の強奪などの「裏の任務」を請け負い、暗躍する遊撃隊が存在することも確かである。
 表と裏。全く逆の道をゆく二種の遊撃隊は、ときに衝突し、火花を散らした。ジェームズ・マクラウドとウルフ・オドネルは、その好例である。

「スターフォックスか……」
 まるで遠いむかしをなつかしむかのように、しみじみとした声でペッピーは言った。
「遊撃隊の看板も、もう下ろさねばならないわい。今となってはな」

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