「やられたな!」
グラビティ・ブレードをもがれたスリッピー機を、呆然と見つめるフォックスの耳に、ペッピーの声が響いた。
「ナウス! 今やつが何をしたかわかるか?」
アーウィンに取り付けられたカメラに収められた映像は、母艦のナウスにより解析されている。ファルコ機を追いながら、フォックスは尋ねた。
『敵機周囲に強い重力場の発生あり。接近は危険です』
即座に、ナウスより通信が入る。
「スリッピー大丈夫か?」
バランスを崩し、ゆらゆらと海上をただようスリッピー機に、フォックスは通信を送った。
「大丈夫じゃないよぉお~」
もはや任務中とは思えないほどの涙声で、スリッピーが答える。
「武器は付いてないって、言ったじゃないかぁ~」
ぐすんぐすん、と鼻水をすする音につづいて、情けない声が聞こえてきた。
「スリッピーその…スマン。しかし、任務中だぞ」
少し申し訳なさそうに、ペッピーが言う。
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