先日開催された、ロボカップジュニア・ジャパンオープン2019和歌山での話
今回のネタは電波の使用についてです。
WRM007 Aquila が練習中(調整中)にデバッグ用としてロボットとPCの間で電波での通信をしていました。
ロボット一番上のバーの上にアンテナらしきものを装備して、それがどう見ても高さ30cmを越えていたので、「これは何?」と質問して発覚しました。
チームとしては、「あくまでも練習時に使うだけで、本番(競技)の時には外す」という理解であったのですが・・・今回の会場では競技中に必要な電波以外は禁止(携帯電話の通話などを除く)・・・だったので、会場としての運用ルールに抵触していたことになります。
※競技関係者向けサイトに掲載されていた注意事項
ルールに従った機体間通信あるいは大会実行委員会が認めた無線通信以外は、 Bluetooth機器や、同じ周波数を使う2.4GHz帯無線LAN機器など、周波数2.4GHz帯の電波発信を禁止します。
運営側が追加インタビューで、練習時も電波の使用はダメだよ、という指摘に対して、通信機器を素直に外して解決でした。
「本番(競技)の時には、電波使用は禁止」というのは、誰しも理解しているのですが、練習時やプログラムをロボットに転送するときなどは、電波の使用の可否があいまいなように思います。
禁止するなら、禁止する方も、徹底した周知が必要でしょう。
もうひとつ
WRM008 roboR2ST が、ロボットの中のモジュール間の通信として電波を使用していました。
これが RoboCupJunior の General Rules に抵触するとして指摘されました。
※General rulers には以下のように書かれており、ロボット間の通信のみ可能ということです。
Robots are not allowed to use any kind of communication during game play unless the communication between two robots is via Bluetooth class 2 or class 3 (range shorter than 20 meters) or via ZigBee. Teams are responsible for their communication. The availability of frequencies cannot be guaranteed.
で、指摘されたあと、このチームの頑張りがすごかったです。
モジュール間の通信をすべて有線で実施するように改造しました。足りない部品は大阪まで買いに行ったりして・・・ただ、さすがにその大改造は大会期間中には完了せず、4回の競技のうち3回は棄権し、4回目もなんとか動いたものの、きちんと迷路を進むことはできませんでした。ロボットはとても特徴的でおもしろいものだったのですが・・・残念です。
ということで・・・電波の使用については、もっともっと周知徹底をする必要があります。
WRM008 roboR2ST も、ノードやブロックで、指摘があれば、今回のような付け焼刃な作業をしなくて済んだでしょう。
メンターも気が付かなかったのでしょうかねぇ!?
ところで、この RoboCupJunior General Rules というものを、日本のロボカッパー達(チームもメンターもスタッフも)は、どの程度理解しているのでしょうか? もしかしたら存在自体を知らないのではないかと心配です。
これも、ジュニア・ジャパンがしっかりと周知徹底をしなければならない課題だと思います。
https://junior.robocup.org/robocupjunior-general-rules/
2019年のものは
・Team Size(チームの人数の範囲)
・Team Members(チームメンバーの年齢の範囲)
・Robot Communication(使用可能な通信)
について書かれています。
まあ、年齢制限のところに
2020 (TBD) – 14-year-old
と書かれていて・・・えっ 2020年は、TBD でなくて フランスのボルドーに決まったじゃない・・・と突っ込みを入れたくなりますが・・・(笑)