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RoboCupJunior Rescue Maze 2019 Rules

2019-01-27 | Rescue Rules 2019

前の記事はこちら RoboCupJunior Rescue Line 2019 Rules

 

では、今回は RoboCupJunior Rescue Maze の2019年ルールを見てみます。(しつこいですが個人の見解です。)

 

Rescue Maze 2019 Rules

 

赤いところをチェックしていくのですが・・・ほとんどありませんねぇ。(笑)

確かに変更箇所は少ないですが、大きな変更があります。

 

まず、1.3.4の項番が赤くなっています。これは、2018年ルールで1.3.4だったものが無くなって、項番がズレました。

じゃあ、2018年ルールの1.3.4は何があったのかというと・・・「スタート地点はチェックポイント」と記載されていました。

つまり、スタートするタイルは銀のタイル・・・言い換えると、終了すべきタイルは銀のタイル(チェックポイントタイル)である。ということでした。このため、きちんとマッピングしていないのに、なんとか脱出ボーナスを稼ぐために、チェックポイントを見つけると、10秒間停止する・・・というズルい作戦をとるチームが横行しました。これを排除するための改善ですね。

私としては、ただ単に止まった(詰まった)のか、脱出したのかを明確に判断するようなサインをして欲しいと要望しているのですが・・・

まあ、少なくとも、スタート地点(=終了地点)が銀タイルで無くなったのは、大きな改善だと考えます。

 

1.6.2 にレスキューキットの移動(転がりなど)についての説明が入りました。レスキューキットは、被災者に届ける医療品や食料なのだから、届ける(=留まる)必要があり、安易に転がって移動してはダメということです。このルールが入ったのは、モントリオール世界大会でのフランスチームのロボットに搭載されていたレスキューキットがビー玉だったからだと思います。落としたビー玉が、ロボットに押されてコロコロ転がって、大変でしたから・・・(笑)

さらに、1.6.2に書かれていた、LEDなどでレスキューキットを光らせる、の記述が消えました。

はい、光らせることは全く意味がありませんでしたね。(確かに奇麗でしたけど・・・) 光らせたら得点が高いとかメリットが無いと誰もやりませんよ・・・と考えるのですが、結構なチームが光らせることに挑戦していたりします。まあ・・・レスキューキットを光らせる余裕があるのなら、迷路をまともに探索したり、ちゃんと被災者を発見する方に注力してほしいです。

ということで、レスキューキットを光らせる必要な全くありません! (それでも、光らせるのは勝手ですけどね)

当然ながら1.6.5にあった、光るレスキューキットの作成例(例になっていませんでしたが・・・)が消えました。

 

そのあと、赤文字が出てくるのが、2.4.8 です。これは Rescue Line でも書いたとおり、自分たちの活動記録を積極的に公開しなさい、ということです。

 

その後も変更部分がずっとありません・・・(笑)

 

で、次の変更から、今年(2019年)のルールの本題です。

3.5.1 は被災者の発見です。

被災者の発見は、ランプの点滅(3.5.1 の a)又はレスキューキットの配置(3.5.1 の b)のどちらかで判断されますね。

 

3.5.1 a)の赤い文字の追加は、意味があるのか分かりませんが・・・

被災者を発見したと判断されるのは

①被災者の15cm以内に5秒間停止する。
②その5秒間の間、ずっとランプを点滅させる。

これで、被災者発見の得点が得られます。

上の②で「ランプの点滅」と書きましたが、ランプがLEDなどの光でなくても、何等かの見える動作(旗を振るなど)でも良いようです。

で、さらに、3.5.1の最後に「N.B.」として、被災者発見のアピールは、きちんと見える場所(審判にしっかり見てもらえる場所)に表示しなければダメですよ、と注意書きされました。

ちなみに、N.B.というのは、nota bene の略で「注意せよ」のことらしい。

 

さて、もう一つの被災者の発見 3.5.1 b) が大きく変わりました。

①被災者の15cm以内に5秒間停止する。
②レスキューキットを被災者の15cm以内に配置する。

これで、被災者発見の得点が得られます。

これまでは、「ロボットを停止させる」という指示が無かったのですが、今回のルール変更で追加され、審判からすると、より確実に判断ができるようになりました。

さらに、落としたレスキューキットが15cm以内に入らないとダメです。

これも、より明確に判断ができるようになりました。

良いルール変更だと思います。

(と言うか・・・これまでが、適当なルールだった・・・笑)

 

3.5.11 は、脱出ボーナスの説明ですが。表現を明確にしただけでルールの変更ではありません。

脱出ボーナスは・・・ロボットがスタートタイルに(自力で)戻ってきて、少なくとも10秒間停止すれば、脱出成功と判断されます。

上に書いた「自力で」というのが重要で・・・これまでは、スタートタイルもチェックポイントだったので、競技進行停止で、スタートタイルから競技再開することもありえました。その状態でロボットを動かさず(10秒間)競技終了にして、脱出ボーナスを稼ぐという方法が想定されました。そこで、今回の(2019年の)ルールでは、 

when the robot returns to the starting tile

という表現になりました。

脱出ボーナスは・・・

①ロボットが自力でスタートタイルに戻って来る。
②スタートタイルで10秒間(以上)停止する。 

が必要になります。

 

さて、今回のルール変更の目玉が 3.6.14 です。

被災者の誤発見の復活です。(祝!!)

3.5.1で示した動作で被災者発見のアピールをしても、ロボットが停止した位置が被災者から15cm以上離れていた場合は、(誤発見として)5点の減点になります。

誤発見は、あくまでも被災者の発見についてのペナルティーであり、被災者によっては配布する必要のあるレスキューキットの数が決まっていますが、その数を間違って配布したとしても、それはペナルティにはなりません。

(ただ、この部分のルールの説明は良くないですね。視覚的な被災者に限定する必要は無いと思います。視覚的な被災者だけでなく、熱を出す被災者でも、レスキューキット配布数が違ってもペナルティにならないのは、同じはずです。)

これで、得点が減点される要素が復活しまいした。

そうなると・・・沢山の減点があっても、総合計点はマイナスにはならないよ、というのも復活しました。

 

ちょっと疑問なのは・・・これまでのようにロボットが停止せずにレスキューキットを落とした場合や、停止時間が(5秒よりも)明らかに短い場合は、誤発見になるのでしょうか? ルールの解釈だと、3.5.1の動作をした場合・・・ということは、5秒間停止することが発見アピールなので、停止しなかったり、時間が短いのは発見アピールでは無いと判断するのでしょう。

 

で・・・この誤発見の復活ですが・・・

まあ、誰しも考えることですが・・・被災者を発見する機能が無くても、1タイル進んだら5秒間停止してランプを点滅すれば、結構な得点が稼げるんじゃない!?

というのをやったチームが、モントリオール世界大会で実在して・・・しかも結構上位にランクインしてしまいました。(こんなチームが上位にランクインするとは、他のチームが情けない!!)

これは、流石にダメでしょう。

「こういうのを許しちゃダメでしょう!!」と意見を出したのが功を奏したようです。

この誤発見の復活は、素晴らしいルール改善だと思います。

 

最後は、3.6.2ですが、競技進行停止になったら、最後に到達したチェックポイントから競技を再開します。(これは変更ありません)

スタートタイルがチェックポイントで無くなったので「どのチェックポイントにも到達していない場合は、スタートタイルから再開する」が追加されました。

 

これぐらいですかねぇ。

 

今回のルール変更は、新しいルールの追加などはありませんが、これまで見逃されていた「ズル」をさせない変更が多く、なかなか良い改善がされていると思います。

 

続きの記事はこちら RoboCupJunior Rescue Simulation 2019 Rules

コメント
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