小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

高倉健、「あなたへ」に、期待する=次回作、来年秋公開予定

2011年09月04日 | 映画・テレビ批評
私の子供の頃と言えば、時代劇の全盛時代で、市川歌右衛門、片岡千恵蔵、中村錦之助、大川橋蔵、東千代之助、大友柳太郎、などの大御所達が名を連ねていた。又、三船敏郎、長谷川一夫、市川雷蔵、勝新太郎、仲代達矢、など、こちらも大物俳優のオンパレードであった。一方、現代劇では日活が1956年(昭和31年)『太陽の季節』を発表、石原裕次郎が華々しくデビュー、小林旭、宍戸錠、など現代劇スターが相次いで誕生した時代でもあった。学生時代には、よく、銀座の「並木座」で、高倉健、池辺良、鶴田浩二、藤純子、丹波哲郎、等、「昭和残侠伝」や、「緋牡丹博徒」のシリーズを、よく、友人達と飽きずに、2本立てを、見たものである。鶴田浩二の両手の拳を、ギュッと、握りしめた格好が、友達は、「りりしい」と言っては、いつも、両拳を握っては、往来を闊歩していたものである。年齢を重ねてくると、どうしても、風貌が、加齢により、変化し、筋肉が垂れ下がり、若いときとは、別人のように変貌してくるものであるが、高倉健は、未だに、「網走番外地」、「幸せの黄色いハンカチ」、「八甲田山」、「駅」、「鉄道員(ぽっぽや)」、そして、鬼神の如く演じた松田優作の遺作となった「ブラック・レイン」でも、往年の目つき、顔つき、その雰囲気が、変わらず、そのまま、若いときの「りりしさ」を、維持したまま、加齢を重ね、一味も二味も深みをましたその憂愁を含んだ円熟した演技を、感じられる。その高倉健も、もう、80歳に、なるそうである。来年、秋に、公開が予定されている、「あなたへ」(降旗康男監督)では、病気で亡くした愛妻の故郷を目指して、キャンピング・カーで、旅をする刑務技官を演じるそうで、「人が人を思い続けること、生きることの切なさを思いました。」という本人のコメントが、あるように、6年ぶりのこの作品に懸ける「健さん」の80歳にして到達した並々ならぬ情熱が、何より、心嬉しい。最近の「しょうゆ顔」のアイドル達や、毎日のTVに跳梁跋扈する軽薄なお笑い芸人達や、官製輸出韓流タレント達には、ほとほと、見飽きたので、是非、こうした輩とは、一線を画した、俳優、高倉健の人生集大成の演技、神髄を期待してやまない。それにしても、来年の秋の公開とは、何とも、先の話である、、、、、、。待ち遠しい限りである。健康維持は、万全なのであろうか?余計な心配をしてしまう。