明け果てて われのまことを しりぬれば もはやかたなき 我が世のすくひ
*「明け果つ」は夜がすっかり明けるという意味ですね。「かたなし」は跡形もない、効き目がないという意味の古い言葉です。
もちろんここでは、時代の夜明けという意味を含ませています。人類の進化をかけたこの時代、人は感性が開けて見えないものが見えるようになった。そして本当の自分の真実を知った。
そうなればもう、嘘で自分を救おうとした馬鹿者の所業など、すべて無駄なのだ。
馬鹿な人間は、自分だけをいいものにするために、いろいろなものを盗み、嘘で自分を作っているのです。霊的世界から操作すれば、人の美貌や徳分なども簡単に盗むことができる。そういうずるをふんだんにやって、馬鹿は見栄えのいい自分と栄光の人生を作ろうとする。
しかし人間の学びが進み、本当の自分の真実というものを知れば、人生の意味も違ってくる。人生とは幸せになるためにあるのではない。幸せとは何かを知るためにあるのだ。ではその幸せとは何か。本当の自分を生きるということなのです。
神の前に恥ずかしくない本当の自分をまっすぐに生き、世のため人のためになにごとかをなしていく。そういう自分であることが幸せなのです。
それがわかってみれば、嘘で作り上げた偽物の人生など、屁のようなものでしかない。人のものを盗んで作った安楽な人生の上にあぐらをかいて、なにもしようとしない人生など、馬鹿でしかない。
嘘ばかりで作った自分と人生が、まるごと馬鹿になり、自分だけをそれで救おうとした馬鹿者の夢は、「かたなし」、まるで跡形もなく崩れ去っていくのです。