日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

しんせん館よ、あなたもか。。

2011-04-08 | 中国ビジネス関連
 香港の日本料理やが、かなり倒産しそうだという報道は流していますし、既に日本でもメディアに載っているようですね。

 上海の状況はまだわかっていないのですが、中国人をメイン顧客とする高級日本料理や(価格面で)さんは既にサイトでは食材は日本からのものじゃないですよ!って強く訴えていますので、似たような状況になると思います。一方日本人メインのところはそんな必要も無いんじゃないかと思いますし、150-200元で食べ放題、飲み放題のところも、こと日本人向けには大きな影響はないんじゃないかな。まぁ、その価格なら元々食材は中国産だと思っていっているお客さんのほうが多いでしょうから(中国人はわかりませんが)。

 で一方食材を販売しているところなんですが、上海ではしんせん館というスーパーのチェーンが日本人社会では有名です。島根県ご出身の方が上海で起業され、当初は主に日本人の多く住む古北地区に出店。その後も日本人駐在員の居住する大きなマンションのなかに小さなお店を複数店舗展開されて、大成功されています。

 そのしんせん館も近年中国人市場に向けて出店をされており、良く私があげる久光というそごう系デパートの地下にお店を出されています。マグロの解体ショー等もおこなっており、主に魚屋刺身、すしなどを販売して結構人気があるお店です。

 日本人向けのフリーペーパーを見ていますと、ご出身の島根の魚を輸入して販売されているようなニュアンスで語られる事が多かったように記憶していますが、私自身は自分で料理はしませんし、我が恐妻も料理はほとんどしないといういい加減な家庭な物ですから、実際に買ったことはほとんどありません。


 日本食在に対する影響から、スーパーで日本食材(と言っても生鮮野菜とか魚)を撤去したスーパーが出たと聞いたことから、先週退院してから一度古北のこのお店に行きました。でも、日本人が主要顧客ということもあり以前となんら変わらず、

 あー。まぁ日本人なら心配しないよなって思いました(原発の汚染水の放流以前でしたし)。


 でも、昨日息子と二人で久光に行ってみてみたら。。時間が4時近かったのでしょうがないかもしれませんが、地下の食堂街で日系の客入りはほぼ無し。ラーメン屋だけは僕ら含め他に二組の客がいた。やっぱ影響しているのかな、と思いながら同じ地下のスーパーで息子人ねだられたお菓子を買っていると、そういえば野菜や魚売り場がまだ有る。でいってみると。



 果物売り場では日本産りんごが、相変わらずの1個800円という強烈な価格で売られている。


 しんせん館の魚も普段どおりにたくさん並んでいて、あー、ここも別に影響ないんだ。


 と思って帰ろうとしたんですが。。。


 ふとよく見ると、前は無かった小さな看板がおいてある。


 見ると。。


 鯛はシャーメン(アモイ)
 XXは上海
 ○○はスウェーデン
 △△は大連
 貝柱は日本。



 と書かれている。。。。。。。



 うーん。まぁ中国人を対象とする限りこういう表記はやむをえないことは重々承知していますし、今回の問題が起きたことから急遽仕入先を変えたのかもしれません。なにせ、僕も上海での動きが偉く出遅れていますから。


 値段は??  基本前幾らだったかなんて気にしたことが無いので比較はできません。


 少なくとも、以前は、普通の上海の市場とか、海鮮市場でみる価格よりは相当高額でしたが、日本から入ってきていると頭から思っていましたから何の疑問ももったことがなかったんです。



 まぁ、私も商売人ですから、自分や家族、そして従業員の生活を守るほうが先に来ますので、必要に応じてこういう表示をすることは全く同感です。


 でも、もし従来の価格設定や見せ方が中国産を日本産に見せて高くしていたならどうなんでしょうね?

 これって、他の高級日本料理やも同じなんですよね。


 嫁の基準で、中国人向け高級日本料理屋の刺身は他に比べて美味しいそうですが、日本人の僕にとってはとてもじゃないけど、築地や那珂湊、東京のまぁまぁの店で食べる魚のほうが圧倒的に旨くて、上海では高い日本料理やに行くことはほとんどないんです。上海で日本料理食べたければ、それこそ白木屋の食べ飲み放題が一番だと思っているので。


 原発の汚染水放流や、場合によってその後の再放流のリスク、空気中の放射能の問題などで、日本の魚介類に対する風評被害(ってか今となっては嫌悪感もたれるほうが当たり前で、もはや風評被害とはいえないと思いますけど)は、長期的に続きそうですよね。

 その時、食材を中国その他のものと明かした高級料理屋はどう、他の大衆店と差別化するのかな。


 しんせん館にかぎらず、中国人がオーナーの日本人向けスーパーがいくつも上海にあるんですが、彼らも価格はカルフールなどに比べてかなり高いんですね。で、短期で帰国する駐在さんはともかく、有る程度上海になれた日本人は韓国系や台湾系で買い物しているんです。こうはつの日本人向けスーパーは、多少店をきれいにして、レジに多少日本語わかる子置いていれば30%-50%高い値段で日本人が商品を購入していくから参入しているという、かなり安易な特殊な市場になっているのですが、この原発風評被害で多少は化けの皮がはがれる店がでてくるのかな。

 
 はは。。こんなこと書いたらまた上海の日本人から嫌われるか。。


 まぁ、でも日本人向けのサービスは中国人向けに比べると倍は手間取る感じなので、小売価格が高いことは全く否定する気にはならないです。僕ら自身が上海の日本人向けに同じ商品を売るなら、今の価格じゃ全く採算に合わないと思っていますから。それで、手を出してこなかった面もありますので、商売として否定するつもりはありません。

 日本の物価の高さも、基本的には日本人の要求するサービス基準や、品質基準が欧米や中国に比べてもかなり高いからだと思っていますので、それが海外のコミュニティに行っても同じですよね。海外の場合は、質に拘らなければ日本と異なり安く買える選択肢が多い。で、僕みたいに合理的な人は同じ物買うなら欧米系や台湾韓国系でまかなってしまう(それでも純粋中国系での買い物は場所を選びます。その辺が日本人を抜けきれないですね。さすがに中国系はちょっと信用しきれないので)。


 唯。。。気持ちは十分に理解できる反面、なんだかなーと思わされました。
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