坊っちゃん 新装版 (講談社青い鳥文庫 69-4) | |
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昨年末から日本に戻ってきてしまうと、冬休み、春休みなどの長期休暇を除き子供たちに会うことは少ない。日中ハーフとして生まれ、大半の時間を上海で過ごしている子供たちは、日本語、中国語〔普通語〕、上海語の3カ国語を旨く操るといえば操るが、実はそれぞれが中途半端になっている。バイリンガルなんてそんなに容易にはできないのだなと思います。
本来母親の言語で教育はするべきと伺っていますが、我が家では共に日本人学校。そうなると日本人である私に子供の教育の負担はどっしりのしかかってきます。
本の読み聞かせなんてもっと押さない時にするべきことなのですが、当時は忙しくもあり日本語のDVD(アニメとかウルトラマンなど)をやたら見せまくって手を抜いていた事から、親に似ず息子は読書嫌い。是ではまずいと思って、読み聞かせをするようにしています。あまり当ブログのテーマには沿っていませんが、面白いなと思った本はここで紹介して見ます。
坊ちゃん。誰でも知っている名作ですね。昨年11-12月にかけて一月ほど息子は愛媛県松山市の小学校に体験入学をさせていただき、また家が道後温泉から近いので、やたら坊ちゃんという名称は見かけます。坊ちゃん列車、坊ちゃん団子などなど。ということで読み聞かせ。まぁ自分で読んで欲しいのですけど。
著者の夏目漱石は松山中学校の教師として1年ほど滞在していた。正岡子規との交流、等は有名ですし、坊ちゃんって子供のころに読んだのですが改めて読み、この松山に数ヶ月住んで見ると。。
街の風景や言葉、人の数とかはだいぶ変わっているけど、こういう地方の城下町の人の雰囲気って今でもおなじじゃない?後日本的人間関係も結構はっきり描かれた居る。
やたら骨董品を進める下宿や、どこに行っても行動を監視されているみたいに感じる雰囲気〔団子屋に入ったとか坊ちゃんの行動が皆に知られている)って今でもあるんです。やたら人などを紹介したがる方が居た〔で紹介手数料抜いているんです)、住民票をここに置いた為に入学予定だった小学校のPTAの方から電話があり、この家を改装している事をご存知だった、などなど。。祖母が亡くなってこの家が空家になるのか誰か住むのかでいろいろ話題になっているそうです。
この辺は東京じゃないですよねー。お屋敷町はどうかしら無いが。
登場人物の赤シャツ、狸校長。この辺は切符の良い江戸っ子坊ちゃんとの対で描かれていますが当時はどうだったのでしょうね?戦後第一次産業が衰退し〔従事者が減った)、サラリーマン社会があたりまえになったせいか、日本人の大半はこの赤シャツか狸になっているんじゃないでしょうか?坊ちゃんややまあらしタイプの人間にはすみずらい世の中だと思います。
当地では坊ちゃんとマドンナという事で、お土産や写真を取る為の飾り物がたくさんあるのですが、改めて見るとマドンナってほとんど登場していないですね。青い鳥文庫だからはしょっているのかな?
松山というと、まず道後温泉、坊ちゃん、みかん、正岡子規、高浜虚子、最近だと坂の上の雲の秋山兄弟ってあたりが全国知名度のランクに入るのでしょうけど、うーん。。。坊ちゃんって松山を愛した人が松山に思い入れがあって書いた本とは思えないですね。坊ちゃん自信が小説の中ではほとんどひと夏しか滞在していないでさっさと東京に帰っている。なんか変な感じです。
まぁこういう昔の名作を読み直すのも悪くないなと思いましたし、今の日本の風土は150年前と基本全然変わっていないんだなぁーと思いました。