行方をくらまして、
しばし青い国を満喫。
旅先からはお手紙。これに尽きる。
海外携帯の番号を知っているのは、異国の友達だけ。
私はどこでしょう。
いつかえるのでしょう?
いつ、どこへ…?
遺跡に鳴り響く携帯電話のメロディが懐かしいのは、
それが、全部エジプトからなのか?
「アロー?アッサラーマ・アレイコム(もしもし、あなたに平安あれ)」
電話を取った私の返事に、人々が振り返る。
「アフバラク・エー?アンタ・クワイエス?(お元気ですか、あなたに問題はありませんか?」
と、人に会った時、電話の最初のお決まりの文句が続くと、すれ違う人は立ち止まり、電話が終わるのを待っている。
「あなた、エジプトから来たのね!東の方の人に見えるけど、だいぶ近いわ!」と、話しかけられる。
アラビア語は国によってそれぞれ口語がある。
話すとどこの出身かがすぐわかってしまう。
私のアラビア語はエジプト方言。
「パパか、ママがエジプト人なのね!」と、よく言われた。
「私の血は全部、日本の血よ」と答えると、「はっはっは。その言い方がエジプト人みたいですよ!では、ご主人がエジプトの方なのですね」と、私が単なる日本からの観光客であることを誰も認めてくれない。
ダンマ・ハヒーフ(血が軽い)と、エジプト人は私に言う。
「気さくないい人」と言った意味であるが、この言い方、チュニジアにはないようである。
アラビア語とフランス語が公用語の国。
町の中はフランス語が溢れかえっている。
私にはちんぷんかんぷん。
レストランでアラビア語のメニューがないとさあ大変!
もっとも、お料理もフランス料理。
アラビア語で注文するよりも、フランス語で注文できたらなんていいでしょう!
ボンジュールな国で、やくざなエジプト方言を武器に歩き廻る謎の東洋人。
地中海を満喫してきた旅の香りをお届けします…
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