イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

スペインの美しきエジプト神殿

2008-01-18 00:01:56 | マドリード

 買い物帰り、夕方、まだ日は高い。
 6時頃のデボット神殿が好き。
 神殿を見て、下ったところにある薔薇園を通り抜けて、宿へと帰るマドリーの私の決まったコース。
 アスワンハイダム造成のおり、ユネスコのアブシンベル神殿移築に深く尽力したとして、エジプト政府からスペインに贈られた神殿は、ある意味この地にふさわしい。
 現在のスーダン寄りにあったメロエの王が建造したこの神殿は、後にローマ皇帝たちが増改築を施した。
 スペイン生まれのハドリアヌスしかり。
 ハドリアヌスの魂が、沈み行く運命であったこの神殿を憂い、恋しい気持ちで呼び寄せたのだと、神殿を囲む池の小波に聴く。

  ハドリアヌスが呼ぶ。
  「さあ、行きなさい。偉大なる緑の土地へ。ナイルの国へ」
 
 地中海を渡りなさいと風が言う。
  私はいつも混乱する。
  「おお!ハドリアヌスよ!あなたはどちらから私を呼ぶのです?」

  「この神殿に、エジプトの匂いを運んでおいで」

 そう、この神殿にかけているもの。それは匂い。
 美しく、完璧に修復されたこの神殿に感じる、魂の安らぎに必要なもの。

 ハドリアヌスの美しきアラバスターのキオスクが、エジプトに今も建っている。
 私はそこへ出かけましょう。
 

 

 

 

 

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静かな午後のひと時を…エル・パルド

2008-01-04 00:08:36 | マドリード

 マドリーの喧騒に疲れたら、バスに乗って…
 実にそう思っているのは私どころか、スペイン国王ご一家。
 マドリーの宮殿は広すぎて、落ち着かないとかで、現在の国王ご一家は、エル・パルドに住んでおられる。
 王様がお住まいとは思えない、静かで、のどかなところである。都心からバスで30分程度のところに広がる、緑の大地。
 国王がお住まいのサルスエラ宮殿や、王子の家などは中を見ることは叶わないが、エル・パルド宮殿は、公開しているので、ガイド付きで回ることが出来る。現在もお客様が見えると、迎賓館として機能しているので、公開は中止される。
 この宮殿は、エンリケ3世の時代から、増改築、再建が繰り返され続けている。
 ゴヤの描いた季節ごとの四季の絵が壁面を覆うレセプションルーム。
 壁紙ではなく、タペストリーで覆われた温かみのあるダイニングルーム。
 フランコ将軍も使ったベットルームには、サイドテーブルに電気スタンド。テレビが置いているのには思わず笑ってしまった。
 ミニキッチンなどは、当然オール電化。
 この宮殿が、今尚使われているという、旅人には悲しくもあり、こっけいな現実。しかしながら、この美術品が使われることで生き残ってゆくすばらしさにも感動し、さらには、「使っているなら私にも滞在させて」と現実に可能なのではと思わせる、雰囲気は、王様ご一家の人柄を偲ばせる。
 あちらこちらに置かれた、王様ご一家の写真もほほえましい。ちょっとした生活感があるのもこの宮殿の特徴といえる。
 宮殿の向かいのバルには、美味しそうなケーキなどが並び、ちょっと気取ったおじさんと、おばあさんが静かにお客を待っていた。
 森の中、川沿いの道をそぞろ歩き。
 小さな住宅街に、一軒のバル。
 そしてまた森が続く。
 都心に近く、犬を飼って暮らすにはもってこいの王様の町、エル・パルド。

 

 


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