イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

あいも変わらず、世はこともなし

2013-08-03 15:02:32 | エジプト編

「大丈夫!?どうしているの??」

日本からかかってきた電話に、私は今回もまた間抜けな返事をしました。
1月25日革命の際は、ルクソールに引きこもり「ロバとお話している」と答えて、みんな、あんぐりと口を開けていました。

ええ、私、危ないとか、痛いとか、嫌なんです。
だから、のびのび生活できない所にはいません。

今回は以前よりも状況が判っていることに加えて、カイロで仕事をしているので、
早々カイロを離れることができません。
やっているんだかいないんだかわからない勉強も続けています。
私の興味ある時代は古王国時代です。
サッカーラの人々の生活のレリーフは私の心を魅了してやみません。
その近所の村も大好きです。
現代エジプトには古代が生きています。
しかし、職人の技を子どもたちは継がない傾向にあります。
日本人よりも寿命の短いエジプト人のおじいたちからいろいろ聞いておかねばなりません。
目下、私は籠職人に弟子入りしています。
そんな時、電話がかかってきたのです。

いなかの村にデモやもめごとはほとんどありません。
「サッカーラで籠作ってるよ。これが終わったらね、イスとテーブル、親方と作るの」
そんな私の答えに、日本の友人は言葉もありません。

帰り道は絶景です。
ナツメヤシ畑に沈む巨大な夕日を見ながら、運河沿いをバスは走ります。
そして、ピラミッドに近くなると夕日もピラミッドの向こうに消えます。
そこからまたさらにバスとメトロを乗り継いで帰宅するともうバタンキューです。
近所のタハリール広場で何をしているかなぞ、知る由もありません。
翌日ニュースを見て「へ!」などと思うこともしばしばです。

あと数日でラマダーンが終わります。
断食月の間は日中飲み食いができません。
職人は仕事ができないため、昼夜が逆転します。
いなかに深夜、女一人で行くことはできないのでこの間はお休みです。
静かな村。あのすばらしい夕日。
そしてどこに置くのか?日本に持ち帰るのか?
そもそも私は作ることができるのか?
ヤシの家具を…
インシャッラー

地球散歩にも書きました。
こちらは新市街の仕事の話です。
http://blog.goo.ne.jp/pinacordoba/e/bca9a90df7db410f364d3deb478dd480