静かな朝。
静かな午後。
静かな夕暮れ。
静かな夜。
避寒地の王宮の夏。
130年の歴史はゆるやかに時を重ねていく。
外をゆく馬車の音も、130年前と変わらないかのように。
ソファのクッションがちょっと沈みすぎるのも、時の流れを感じさせる。
時の流れにだんだんと沈んでゆく躰と心。
私は何を待っているのか。
チェックインなのか、それとも新たな出会いなのか、それとも封印した思い出を開ける鍵なのか。
待つ。
心穏やかに、待つ時間のなんと贅沢なことか。
いつか、この階段の上から、誰かが降りてきて私に手を差し伸べてくれるまで、
待つ…
それとも、ナイルから…?
庭園から…?
lロビーのソファに体をあずけて、待つ。
Winter Palace Luxor hotelにて、夏休みの最初の朝。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます