イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

ないしょの庭

2010-05-30 23:33:08 | ないしょ ないしょ
ないしょ、ないしょ
ないしょの庭に咲きほこる
花の数々あまたあれ
薔薇の莟の誘惑に、
風に揺られし花弁の手まねき
目をつむり、夢幻か、うつしよか、
のばして触れた指先に小さな棘が毒を盛る

お前の秘密は私の秘密

ベラドンナの低い、素っ気ない声が、耳たぶに触れる

語らずによし


お前の秘密は私の秘密

ベラドンナは私を見ない
風に身を任せながらも、
凛として花を魅せ
甘い色の莟で、引き寄せる

お前の秘密は私の秘密


人混みで
誰もいないあばら家の裏庭で
ベラドンナは
視線をあわせず、
声を寄せる




※写真の薔薇が今年発売された"ベラドンナ"


薔薇窓

2010-05-19 23:53:29 | ないしょ ないしょ
 ないしょ、ないしょ、ないしょのはなしは
 いつでも、薔薇の向こう側。 
  いつ、どこで…?  だれと?  

 ないしょ、ないしょ 
 薔薇窓をみつけたら、 
 いつでも、扉はひらかれる。  

 ないしょ、ないしょ 
 薔薇の匂いは、足を向かせる。  

 ないしょ、ないしょ 薔薇の下では、 
 固いつぼみも、鋭い棘も、 
 甘い匂いに誘われて、花開き、道をあける。  

 天から下がる、薔薇 
 それは秘密のしるし  

 薔薇の中の薔薇 
 秘密の秘密  


 私の秘密を知る薔薇は…

無邪気な観光客

2010-05-06 21:04:51 | エジプト編
 カイロの高級住宅地ザマレク。
 静かな街並み。
 通りでメモを取ると、警官がそっと近づいてくる。
 何をメモしているか、しきりと気にする。
 私はただ、また戻って来たい店の通りの名前を書きとめているだけ。
 「私はただの観光客よ!何がいけないの?」
 「何を書いているんだ!見せてみろ!」
 押し問答していると、私服警官が近づいてくる。
 私は書いているメモを見せる。
 「君はアラビア語が書けるのか!」
 「私は、またあそこの店に戻ってきたいの。ここで写真を撮ったわけでもないのに、なんで怒られなきゃならないの?」
 「アッハッハ、そりゃあ、ここが要人の家だからさ 私は、店と通りの看板を一心に見ていて、その大きな邸宅の前にたむろするように座っている私服の警備員や警官に気づかなかった。
 
 エジプトでは、軍関係の施設の前などで写真を撮ることは許されない。しかし、メモを取ることも許されないとは思わなかった。
 時に、ふと、油断してしまう。
 日本と違うことは良くわかっているはずなのに。
 好奇心旺盛な観光客であることを一生懸命アピールし、笑顔でいる。
 それでも、語彙力のなさが裏目に出る。英語で押し通さねばならないのに、ついつい口をついて出てしまうアラビア語。
 
 アラビア語が判る?書ける?そんなお前が、何をしている…
 
 「何も…」と言って、通じないこともある世界。
 今のところ、私は、ちゃんと観光客と信じてもらえている。
 でも、郷に入りては、郷に従え。
 李下で冠を正さず。
 ちゃんと、気をつけなくちゃ。

 私服の警官や警備員の目を逃れ、また新たなお店を発見。
 ステキな古い扉の数々。
 ファティマの手、ランプ、飽かずに眺めていると、また忘れてしまいそう。
 好奇心が命取りにならないように、楽しく散歩するために、忘れちゃいけない。    
 だって、私は、本当に、好奇心旺盛な、カイロを愛する観光客。