イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

旅の守護神

2007-11-28 00:15:10 | スペインが好きなアラブ

 私は考えている。
 なんとなく思っている。
 何とはなしに、遠くを見つめ、心はどこかへ。

 ローマ皇帝たちは、このイベリアの地で生を受け、
 都を築き、
 一点を見つめていた。
 はるか地中海の向こうのかつての大帝国を、
 決して涸れる事のない水、
 黄金色の小麦、
 光の粒が散らばった、ナツメヤシの実、
 世界の穀物庫と皇帝たちが呼んだエジプト。
 
 皇帝たちは、ギリシャの神々とエジプトの神々を融合し、新たな神々を作り出した。
 ギリシャ神話に出てくるヘルメスは旅の神。ヘルメスの力を得てエジプトへ遠征した皇帝たちは、エジプトの知恵の神、トト神に惚れ込み、この二柱を融合して新たな神を生み出した。
  それ以来、今日に至るまでトト神のデザインは、護符の意味も含んで愛され続けている。ダリの作品にも気品のあるトト神が見られる。
 
 
羊飼いは血が騒ぐのか、いつも豊かな大地に目が向いている。
 いつでも、誰でも、旅に出た羊飼いが出遭うアルケミストは、時を越えて同じ人物である。その名はヘルメス。
 ヘルメスとトトの融合、偉大な錬金術師、ヘルメス・トリスメギストス。
 旅と知恵の融合。そがもたらすのは、世界一大帝国の夢。
 壮大な歴史を踏みしめ、今の世も羊飼いは羊飼いのまま旅をする。
 ヘルメスとトトに守られて。
 目指すは、絶えることのない水と食物の国へ…

 ※写真、フィゲラス、ダリ美術館所蔵


  

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魔女の店

2007-11-01 00:09:57 | タベルナ・マタアム・食いもの屋

 ハロウィンの夜に思い出した店。

 還りたくても還れない、私の心を慰めるのはやはり美味しいお料理でしょう。
 地中海世界が大好きな、還りたいを合唱しているすてきな妹たちが、恍惚とした表情を見せる店の名前を、何度聞いたことか。
 スペインバルで、バスク人とフランス語で語り合ってしまうMちゃんと、「神のお導きがあれば会える」と、約束もしないでモッロコまで、ハッサン(一体モロッコにハッサンがどれだけいると思っているのかしら?)を訪ね、ちゃんとお話してきた@ちゃんオススメの店が、「魔女の店」
 
 「行ったら絶対に魔法にかけられる」

 六本木の路地にある、小さなお店。確かに、自称「パワフルな怖いものなしシェフ」のオーラが店の奥から灯火のように見える。
 木のカウンターに並べられた、大皿料理の説明を受け、そこからオーダーするのだが、とにかく全部おいしそう。「はじからはじまで全部」と言わないで選ぶのには、大変な苦労を要す。

 スペイン、フランス、イタリア、トルコ…地中海域の家庭とシェフ直伝の料理が、本場の味付けそのままで出てくる。
 コリアンダー、カルダモン、松の実、クスクス!
 これら、地中海のなくてはならない食材が、どんと迎えてくれる店。
 
KITCHEN 5
 魔女の作り出すお料理は毎日40種類とか。
 こんなに美味しい、具のないクスクスを、私はモロッコでも食べたことがない。
 ピンチョスも、うっかりバスクのバルかと錯覚しそうな品揃え。
 
 すっかり魔法にかけられて、帰途についたことは言うまでもない。

 


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