イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

情熱に焦がれる

2007-10-14 22:33:08 | タベルナ・マタアム・食いもの屋

 一仕事終えて、たどり着いたのは、私の愛すべきスペインのかおり高い店。
 私が「恵比寿で」と言ったら、スペインバルのカウンターと決まっている。
 そのバルの2階には予約でいっぱいのレストランがある。(1階のバルとオーナーは同じ)ふらりと訪れる私は、2階に上がってみるものの、いつも満席。
 このたび、満を持してやっと2階へ足を踏み入れた。
 お料理はもちろんのこと、何よりも楽しみだったのが、ベネンシアドールである西村さんにお会いすること。
彼女のブログを見るまでもなく名前だけでも、いつもパブロフの犬になっている私。そう、彼女のブログには、画面から匂いたちそうな、この店の美味しいまかない写真が盛りだくさんである。
 さて、
ベネンシアドールとは樽から、小さな柄杓のようなベネンシアで、シェリーをくみ出し、グラスに注ぐソムリエのような人のこと。
 目の前で注いでいただいたシェリーの馥郁たる香りに酔いしれる。
 ワインも好きだけれど、シェリーの余韻ある香りがたまらない。
 旅先で出遭ったワインでは、アンダルシアのモンティージャのワインにメロメロ。このたびべネンシアドールを調べなおしていたら、モンティージャ・モリーレスはシェリーに似たワインであると出ていた。納得。
 そんな私に、ワインのボトルを料理に合わせてお願いしたところ、選んでくださったものは、マジョルカのワイン、AN/2(ボディガはアニマ・ネグラ)。衝撃的なボトルに負けない、パンチのある個性的な味。まさしく情熱の味。木の実や、シナモン、バルサミコの複雑な絡み合いは、どう表現したものか…
 スパイシーなワインと、赤いラベル、そしてマジョルカ…
 
 禁断の世界
 開けてはいけない扉の鍵が、出揃ってしまった。
 情熱の国へ、私の心に火をつける。

 今日また、新たなベネンシアドールが誕生した。(第6回ベネンシアドール公式称号資格認定試験の最終公開実技試験日)

 


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地中海を愛する人

2007-10-07 00:34:20 | プロローグ

  昨年の今頃、シカゴの街を歩いていた私は、シャガールの大きなモザイクに遭遇した。「四季」というタイトルの四面モザイクの大作は街に溶け込んでおり、足を止めるものはいない。
 私はなぜシャガールが好きなのか?そのことについて、取り立てて考えたことはなかった。ロシア生まれの画家に、私との共通点など見出そうと思うこともなかった。
 夕暮れの中で、モザイクを眺めながら、ふと思い出したこと。
 地中海。
 晩年、彼が愛したのは地中海。
 彼の地中海に対する想いと、私の想いが、どこかで通じるのかも知れない。
 子どものころ、私の作品を撮りに来る写真家がいた。毎年、毎年、「あなたの作品は、とても良い。ファインダーを通した時、その構図と色彩のすばらしさが良くわかる」とおしゃって、時には前の年の作品の写真を持って現れた。その人に最後に会った時、「君の色使いはまるでシャガールのようだ」とおっしゃった。
 師匠には、破天荒な作品を作ると、いつも小言を言われていた。
 一年に一度、毎年の感想が楽しみで、ただ嬉しかった。私はその方がどんな方なのか、お名前なのかまったく知らぬままであることに、お会いしなくなってから気がついた。その日から、月日は一昔以上も流れた。
 
 偶然は必然。
 
 私がシカゴでシャガールに出会った意味は?
 シャガールの世界を表現するのに、私には花が必要だった。
 シャガールの花…
 彼の愛した花はどんな花なのか?
 私の答えは、今年の作品展で… 

 

 

写真は作品のパーツ。展示は2007.10.12~14東京にて。


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