一仕事終えて、たどり着いたのは、私の愛すべきスペインのかおり高い店。
私が「恵比寿で」と言ったら、スペインバルのカウンターと決まっている。
そのバルの2階には予約でいっぱいのレストランがある。(1階のバルとオーナーは同じ)ふらりと訪れる私は、2階に上がってみるものの、いつも満席。
このたび、満を持してやっと2階へ足を踏み入れた。
お料理はもちろんのこと、何よりも楽しみだったのが、ベネンシアドールである西村さんにお会いすること。彼女のブログを見るまでもなく名前だけでも、いつもパブロフの犬になっている私。そう、彼女のブログには、画面から匂いたちそうな、この店の美味しいまかない写真が盛りだくさんである。
さて、ベネンシアドールとは樽から、小さな柄杓のようなベネンシアで、シェリーをくみ出し、グラスに注ぐソムリエのような人のこと。
目の前で注いでいただいたシェリーの馥郁たる香りに酔いしれる。
ワインも好きだけれど、シェリーの余韻ある香りがたまらない。
旅先で出遭ったワインでは、アンダルシアのモンティージャのワインにメロメロ。このたびべネンシアドールを調べなおしていたら、モンティージャ・モリーレスはシェリーに似たワインであると出ていた。納得。
そんな私に、ワインのボトルを料理に合わせてお願いしたところ、選んでくださったものは、マジョルカのワイン、AN/2(ボディガはアニマ・ネグラ)。衝撃的なボトルに負けない、パンチのある個性的な味。まさしく情熱の味。木の実や、シナモン、バルサミコの複雑な絡み合いは、どう表現したものか…
スパイシーなワインと、赤いラベル、そしてマジョルカ…
禁断の世界
開けてはいけない扉の鍵が、出揃ってしまった。
情熱の国へ、私の心に火をつける。
今日また、新たなベネンシアドールが誕生した。(第6回ベネンシアドール公式称号資格認定試験の最終公開実技試験日)