イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

砂に埋もれた碧海

2010-12-18 20:03:06 | エジプト編

最後に歩いた人の影が見える


フランス人のロエールさんの影が


数々のピラミッドが見渡せるサッカーラの丘に立つと、見えないものが見えてくる


砂の上を見ながら歩く、ロエールさんも見える

何か、土器の破片か何かを拾っては元に戻しながら歩く、往年の考古学者。

サッカーラ大地の下は、網の目のように道が走り、部屋が並んでいる。

その壁面は、碧いタイルが貼りめぐらされている。

カイロ博物館の誰も行かない、薄暗い隅っこに、壁一枚分貼られている。

たくさんのツアー客の足音と、ガイドの声を遠くに、青いタイルを見つめる。

封印されている、青い地下世界に、いつの日か入る事は出来るのか?


タイルの間に間には、走る王のレリーフがある。

国民に、統治力があることを示すために王は走った。

たくさんの王の足音


たくさんの人々の足音

 

聞こえる、聞こえる、私を連れ去る足音が…

 

ロエールさんについて→こちら


薔薇マンション

2010-12-14 19:09:54 | イラン・トルコ編

あまりの美しさに
写真をとるのも忘れ
思い出してからも
ただ、じっと眺めていた

ウスパルタの町を見下ろす
薔薇の町の夕暮れは、まさに、薔薇色に染まる

翌日、町を歩きまわって
深い薔薇色の秘密にふれた

町中の建物が薔薇色

薔薇の町は空気までも深い薔薇色に染まり、文字通り薔薇の匂いに包まれている

 

遠くの空の下、薔薇風呂の中で思い出す、トルコの一ページ


匂いの魔力

2010-12-10 22:42:27 | ないしょ ないしょ
木漏れ日の中
静かにバスタブに身を沈める。
薔薇の匂いがたちこめ、脳髄まで染みこんでゆく

生まれ変わる儀式


真珠と金とエメラルドを身につけて


真っ赤なルビーを探しに出かける


これはその最初の儀式

そして、真っ赤に燃える
私の魂を封じ込める青い衣を纏い、月光を浴びる

くりかえし生まれ来るもの

2010-12-07 19:30:00 | ないしょ ないしょ

毎年この時期、亡くしてしまった大事な命に
ただ涙する
さっきまで元気だったのに、次の瞬間もう魂はなく、
ただ冷たい抜け殻を抱きしめていた
そのことを思い出すと、
時が音を立ててゆっくりと自分の傍らを通り過ぎてゆくのを感じる

この時期、私が逢ってもいいと思える人は限られている
出来る事なら、誰にも逢わないで、
ただ眠っていたい

植物は種を残し、
また芽を出す。

一抱えのスペインからたくさん収穫し、
玄関に、小さな森をつくった
リスが住んでいそうなちいさな森…
やって来る人々が思わずのぞきこむ

このスペインの種が、芽を出して、
私を本当のスペインへ連れて行ってくれるかしら?
今年は、スペイン含め、海外に住んでいた友だちが、たくさん日本へ戻ってきた

来年は私が出ていこう
たくさんの木の実が風に乗って、遠くへ飛んでいくように
遠くで芽を出して根を張ろう
そうしたら、また風に乗って、種を持ち帰る

くりかえし、くりかえし
人もまた、強い情念により生まれ変わり、懐かしむ