イスラミック・ブルー

スペイン、エジプト、イラン、トルコ、チュニジアへ、イスラミックな旅へ。
スペイン/地中海レストランガイド

流れ、たどりついた先

2010-06-11 18:15:24 | チュニジア編

 追われ、追われて、少しでも聖地に近い処へと、
 アンダルシアを後にして、幾年月…
 月明かりを頼りに、歩き続け、
 月の満ち欠けが幾夜巡ったのか、
 もう、わかなくなってしまうほど、沙漠を歩いた末に、
 たどりついた町。
 
 緑多く、山ありて、それでいて乾いた土地
 夢まぼろしか、
 幻覚か、

 ここに見える、アンダルシア

 チュニスから約2時間、
 テストゥールという町は、小さなアンダルシア。
 アンダルシアの人々が移り住み、町を作り、音楽を楽しんでいる。

 マールーフという、アンダルシアの音楽を取り入れた、アラブ国際音楽祭が、来月この地で開かれる。
 15世紀、アンダルシアを追われた人たちの調べは…
 
 その風貌はチュニジア人のようで、
 女が一人、歩く姿に向けるまなざしもアラブ的なものではあれど、
 羊を連れて歩く姿や、
 この街並みは、どうして、どうして、
 アンダルシア以外の何物でもない。
 
 いつの日か、マールーフに合わせて、この地で、アンダルシアの音に、望郷の念を見いだしたい。


秘密の館

2010-06-04 17:57:32 | ないしょ ないしょ
 苔むした塀の向こう
 咲き乱れる花々と、伸び放題の草葉の奥の奥
 ひっそりと佇む屋敷には、
 秘密がいっぱい
 
 アラバスターの杯に注がれる
 真っ赤な葡萄酒
 待ち人が来るまでの一人遊びのチェス盤
 そして、今日の内緒話は…
 一輪のベラドンナがお相手します

 今日の内緒話は、
 たわいもない
 初夏の昼下がりのつぶやき

 我が家で初めて咲いたベラドンナ
 小さなな秘密を花弁にまとい
 大きな木へと背を伸ばす