「見つけた!」
と、思わず叫んでしまった。
不思議、不思議!
私はそこにあることも、何も知らず、
通りすがりのおじさんについて行っただけである。
「マダム、こちらにいい通りがありますよ。ちょっとついていらっしゃい」
品のいいおじさんにそう言われて、何度か断ったのだが、
行く先々で待ち受けている。
「この先に、あなたの好きな通りがありますよ」と言う。
素敵な扉があるの?
それとも、モスク?古い建物?
タイル?
お墓??
チュニジアでは出会ったことのない、客引き??
連れて行かれたのは、特にどうと言うこともない通り。
「通りの名を御覧なさい」
そう言われて見上げて見れば…
どうして?
おじさんはただニコニコしているばかり。