イスラミック・ブルー

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スペイン/地中海レストランガイド

セビ-ジャからの手紙

2007-06-19 23:32:20 | アンダルシア

 セビージャ(セビリア)から絵葉書が舞い込んだ。スペインが大好きなお姉さんから、旅の便り。
 スペイン一、文学的で詩的で、絵になる街。それはセビージャ。かのカルメンの舞台もここセビージャである。
 ローマとアラブとキリストの見事な融合。

 残酷王と呼ばれたペドロ1世が、大改造を行った、居城アルカサルに足を一歩踏み入れると、ため息がこぼれる。これを造った人が残虐な心を持っているとはとても思えない。国を収める王としてしての顔。そして審美眼。ムデイハルの最高傑作を残した。あまりにも完璧な造りゆえに、その後の支配者たちも、ほとんど手を入れることは無かった。
 そして広大なパティオ。             
  「ターバンをしないアラビアの人」と呼ばれたペドロ1世。憧れのアルハンブラ宮殿を模したアルカサルの庭は、アルハンブラの水音の向こうに感じる静寂や、ひそやかな美しさとは違った、アラブの開放的な乙女の笑い声と足音が聞こえるようだ。そして、なつめやしの木が、空をもまた一段と高く感じさせる。
 ペドロ1世の時代、宮殿の中では、言葉も衣装も、全てがアラブであったという。
 
 アラベスク
 光と影
 
 ここには音がある

 輝くアラベスクが、
 床に散った、その影が、
 唄う、しゃべる、にぎやかに

 それはかつて、アラブの時代、セビージャが音楽の街だったからかもしれない。
 哲学者、イブン・シュルドは「コルドバの音楽家が死ねば、その楽器はセビージャに持っていって売られるが、セビージャの学者が死ねば、本はコルドバに持っていって売られるようだ」と言った。
 セビージャで編纂された『ザヒーラ(宝庫)』には、恋の歌が収められ、ウードの調べにのせて唄われた。 
 
 今は、ゆれる光と影の中、アラベスクのおしゃべりがほほえましい


 


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