クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ベートーヴェンの交響曲第8番 ヘ長調 ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ

2008年02月10日 04時47分52秒 | 交響曲
ベートーヴェンの交響曲、8番まで来ました。
ここまで、ベートーヴェン全集を適当に手にとって、その中の1枚を聴いてきました。
思えば、「ベートーヴェン全集」、随分買ってきたものです。CD激安の時代になって買いやすくなった(新品も安けりゃ、中古盤も嘘のように安い!)こともあります。CDになって枚数が減ったことも原因でしょう。今、全集といっても5枚組ですもんね。

昔は高価でした。LP時代はだいたい8枚組。ですから、廉価盤セットでも(1枚1,500円として)1万2千円。カラヤンの1970年代全集など、売れたんでしょうねぇ、値付けも強気、1枚2,300円で全集18,400円也。バーンスタインの全集は初出盤で16.000円。

今日取り出したブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ盤も8枚組、ただし価格は1万円ポッキリの廉価盤でありました。ブロムシュテットの演奏は1枚ずつ発売されて(最後は第九と2番の2枚組だったかな)、完成したところで、当時1万円の激安価格で出たものでありました。(今日の画像、拡大したらその価格が見えるでしょうか?)
カラヤン=DGの強気に比べて、発売元の徳間音工の何と謙虚なこと。売れなかったんでしょうなぁ・・・・・・あのころ、ブロムシュテットは、やはりマイナーな指揮者でありました。(今や押しも押されもしない大指揮者と思いますし、僕は大好きな人ですが。)

さて、今日はその1万円LP全集からであります。

ベートーヴェンの交響曲第8番 ヘ長調 作品93。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1979年12月、ドレスデンのルカ教会での録音。独シャルプラッテン原盤。

ドレスデン・シュターツカペレの幸せな響き。
ふくよかで、暖かく、そして柔らかい響きが部屋中に広がってゆく。ルカ教会の残響も素晴らしい。この音に包まれる幸福は、ちと他に例えようがない。
開始の音が鳴っただけで、ああ、ドレスデン・シュターツカペレ!・・・と云いたくなる音。

演奏はもう安定感満点で、まさに盤石。誠実で正統的、そして確信に満ちた演奏。「ワシらの演奏は、こうやでぇ」と云っているような感じ。テンポなど実に堂々としていて、ビクともしない。
このオーケストラが長年培ってきた伝統が、薫り高く聴き手に迫ってくる。

第1楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ。
演奏はまさに「ヴィヴァーチェ」、活気に溢れている。そしてサウンドはどこまでも暖かい。ベートーヴェンの激しさも良く出ているのだが、SKDのまろやかなサウンドが、しそれを包み込んで、ギスギスした感情にならないのがイイ。聴いていて、大変心地よい。
第2楽章はアレグレット・スケルツァンド。
メトロノームのリズムが楽しい。これこそ、スケルツォ(諧謔曲)か。SKDの弦楽セクションの厚味が生きて、端正・上品に聞こえてくる。ブロムシュテットの安定した棒さばきもさすがと思う。

第3楽章はメヌエット。ベートーヴェンの交響曲唯一のメヌエット楽章。
ここでもふくよかなサウンドが良い。安定感があるのは、ヴィオラやチェロが良いからだろう。そして、ホルンのアンサンブル!美しいことこの上なし。素晴らしいホルン・セクションと思う。(楽器の指定はホルン2本。そのうちの一人は、ペーター・ダムさんでしょう)

フィナーレはアレグロ・ヴィヴァーチェ。
テンポはあまり急ぎすぎず、堂々と安定している。克明なリズムの刻みは、ブロムシュテットの誠実さを語っているようだ。ああ、良いベートーヴェンだなぁ。しっかりとして、堅実で、派手さなんかなくて良い、ただひたすら、ベートーヴェンの声を聴き手に届けてくれれば。

録音は今も上々です。
ルカ教会の響きが最高なので、ドレスデン・シュターツカペレは得をしているなぁと思います。オケもエエんでしょうが、録音のロケーションも最高であります。

なお、日本のキングから、この頃リマスタリング盤が出ています。1枚1,800円はちと高いような気もしますが、音は非常によいとの評判です。
買われた方、おいでますか?懐に余裕があれば、買い直して聴いてみたいと思っています。



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