クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ベートーヴェンの交響曲第7番 イ長調 ヨッフム/ロンドン響

2008年02月09日 04時40分33秒 | 交響曲
3連休初日は積雪の予報です。
今のところ、伊予路に降雪はありませんが、どうも今日の天候は怪しいようです。
こういう日は、家にこもってゆっくりクラシックを聴きましょう。

さて、今日はベートーヴェンであります。

ベートーヴェンの交響曲第7番 イ長調 作品92。
オイゲン・ヨッフム指揮ロンドン交響楽団の演奏。
1977年9月、ロンドンのキングズウェイホールでの録音。EMI原盤。
聴いているのはEMIの輸入盤EMINENCEシリーズの1枚。当時はこれ、ミドルプライスのものだった(と思う)。

アナログ録音のLPで良いのは、弦楽が美しいところ。ヴァイオリンの高音の伸びが良く、倍音が美しく響くところにある。
このLPはアナログ最盛期の録音で、この時期のEMIの録音は概して良かった。デジタルに移行した1980年代に、EMIの音は魅力がなくなったように僕は思うのだが、この時代までのEMIはイイ。特にLPの音は素晴らしいものが多い。

ヨッフムの指揮するこの第7交響曲も、CDの激安全集でも持っているのだが、音はLPの方が良いようだ。音の柔らかさと伸びが違う。CDで聴くときの印象と大分違う。
CDだと四角四面にヨッフムが振った生真面目な演奏に思えるのだが、LPで聴くと、ヨッフムの表情が柔和になり、昔を懐かしむ好々爺のようになる。古き良き伝統を若者に伝え、愛情と包容力を伴いながら、ベートーヴェンのかけがえのない名曲を、堂々と再現してゆく・・・・そんな印象になる。

ロンドン響は好演。ヨッフムの棒に、素晴らしい響きで応えてゆく。立派な重低音に爽やかな高音、そして鋭敏な反応。オケの機動力に富んだ演奏と云うべきか。

第1楽章は堂々として熱気十分。語り口も巧い。
コーダでグイッとテンポを落としていくところなど、歌舞伎役者の大見得のよう。さすがヨッフム、老練の芸。

第2楽章は悲しみのアレグレット。遅いテンポで切々と歌う。低音部のチェロやコントラバスの表情は悲痛。そしてヨッフムの指揮は情熱的だ。

第3楽章はヴァイオリンの涼やかな響きが素晴らしい。木管とのバランスも実に良く、充実した演奏になっている。全体的な仕上げも上々、美しく磨かれたスケルツォとなっている。金管が加わったときの分厚い響きもヨッフムならでは。ブルックナーを思わせる力強さが、イイ。

フィナーレも力強く逞しい演奏。無骨なところもあるのだが、音そのものは大変美しくしなやかだ。若々しく瑞々しい触感。爽やかな風が吹いてくるような肌触り。時に、弦楽の濡れたようなしっとり感も良い。
こういう響きというのは、ヨッフム/ロンドン響のアンサンブルの良さもあるのだろうが、やっぱり、アナログLPの強みかな・・・・・。

という訳で、録音は今聴いても素晴らしいです。
ヨッフムはイイ指揮者でした。



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