クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調「運命」 ハイティンク/ロンドン・フィル

2009年01月06日 02時05分00秒 | 交響曲
さあ仕事始め。私の職場は、若い女性が多いので華やか賑やかであります。早速新年からワイワイと仕事しておりました。「あそこへ行った、ここはどうだった」という話が飛び交い、若さを満喫しているようです。エエですねえ、若いって。さて、年末に欲しかったCDを入手しました。某オークションで1円でした。誰も気にかけなかったんでしょうね。でも、僕にとっては渇望の1枚でした。今や廃盤で入手困難、中古盤屋をこまめに当たれば見つかるとは思うんですが、何せ、四国にはそういう店も少ないですしね。僕にとっては幸運でした。ハイティンクのベートーヴェン旧盤です。ベートーヴェンの交響曲第5番 ハ短調 作品67「運命」。ベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン・フィルの演奏。1975年8月、ロンドンでの録音。フィリップス原盤。国内では「CD文庫」という1,500円廉価盤で発売されたもの。第1楽章は快速テンポ。音楽は憤怒の表情で厳しい。一途に向かってゆく感じ。戦う姿勢十分。ロンドン・フィルが素晴らしい。機動力に溢れ、弦楽はしなやかでムチのようにしなり、弾力感がある。管楽器も腰高にならないのがイイ。響きの魅力は、ハイティンクの再録音ACO盤にはやや劣るものの、身の丈に合わせた第5交響曲になっていて大変好ましい。あまり背伸びせず、スケールを空虚に広げたりしないのがハイティンク流であって、音楽の中身はぎっしり詰まっているのが良い。第2楽章は穏やかな表情の中に誠実さが見えるような演奏。テンポは中庸で、堂々としている。ロンドン・フィルの響きはここでもとても爽やか。アンサンブルが良いのだろう、透明感のある響きを獲得している。第3楽章は力強い音楽が進んでゆく。ベートーヴェンへの信頼と愛情とがこぼれてくるようだ。そしてフィナーレの爆発。ロンドン・フィルも持てる力をフルに発揮している。音量が徐々に上がっていき、ラストでは壮大な盛り上がり。その音がふっくらと広がってゆくのがまた実にイイ。これ、ロンドン・フィルとしては初めてのベートーヴェン全集(そしてこれ以後もない?)。ハイティンクとしても初のベートーヴェンの交響曲全集。今や廃盤久しい演奏であって、LP全集はついにCD化されなかった。再録音の、そして名全集と絶賛されたACOとの全集でさえ今や廃盤、単品は廉価盤になっている御時世なので、このロンドン・フィル盤をCD全集で聴くことはもはや不可能だろう。どこかが(ブリリアントとか?)再発してくれないかなぁ・・・・。この録音の頃から、ハイティンクはスケール豊かで風格のある巨匠への道を歩んでいったように思う。ロンドン・フィルとはメンデルスゾーンの交響曲集などの名演があったし、手兵ACOとはチャイコフスキーやシューマンの交響曲全集が続いた。そして、ブルックナーやマーラーのデジタル再録音盤にショスタコーヴィチ全集も・・・・・。録音状態は今も上々であります。1970年代の見事なアナログ録音。ヒスノイズが少々乗りますが、音楽の豊かな広がりは格別で、フィリップスらしい残響も美しく、心地よいものです。カップリングの「田園」、これもまた素晴らしいんです。
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