クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

メンデルスゾーンの交響曲第4番 イ長調「イタリア」 マリナー/アカデミー室内管

2008年01月30日 05時46分41秒 | 交響曲
この2週間、伊予路はどんよりとした天気が続いております。
スカッと晴れない、曇り空、雪空、そして降る氷雨・・・・・。気温も上がらず、寒い日々です。
音楽だけは、気分良く行きたいものです。と思って取り出したのは「イタリア」であります。


メンデルスゾーンの交響曲第4番 イ長調「イタリア」。
ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団の演奏。
1993年7月、ロンドンでの録音。フィリップス盤。
マリナー&アカデミー室内管のコンビは、1979年にDECCAにも録音しているので、これは再録音盤ということになる。

テンポは快速で、スッキリとまとまりの良い演奏。指揮は堅実で手慣れたもの、アカデミー室内管のアンサンブルも良好で、爽快な響きを堪能できる1枚。

第1楽章はアレグロ・ヴィヴァーチェ。初めからワクワクするような音楽の運び。
特に開始6分くらいの、クレッシェンドしてゆくところはは、いつ聴いても心が弾む。「イタリア」の、ここが最も好きなところだなぁ。エエなぁ。ワクワクするなぁ。

第2楽章はアンダンテ・コン・モート。
ここは美しい弦楽アンサンブルが聴きもの。大編成のオーケストラの重量感もイイのだが、マリナー&アカデミーのような小編成の室内オケの方が、その快感が伝わる感じ。響きは第1楽章に比べて、柔らかくほの暗い感じに聞こえる。曲想に合わせて響きが変わるのは、さすが職人マリナーと思う。

第3楽章コン・モート・モデラート。音のヌケが良く、音楽の構成は引き締まったスマート体型。涼やかな風が吹き抜けてゆく。ああ、イタリアの風はこんな風に吹くのだろう。メンデルスゾーンが感じた、イタリアの陽光、サラッとした空気の肌触りが、音楽に息づいている。「音の風景画家」とはよくぞ云ったもの。マリナー羽、その辺りを十分に表出して、耳当たりの良い音楽をつくり出す。
アカデミー室内管は好演。弦楽アンサンブルはもちろんイイが、ホルンの合奏も素晴らしい。エエ音だなぁと思う。

フィナーレはサルタレルロ。明朗で軽快、徐々に盛り上がって昂奮してゆく舞曲になっている。ラストは熱狂。ラテン気質のノリが聴ける。
マリナーはそんな音楽をシャープに、冷静に演出してゆく感じ。音楽は熱狂してゆくのだが、アンサンブルはしっかりと決まっている。さすが職人、そつなくコツコツと単打を続けて打率を上げてゆくバッターのような、見事な芸と思う。この人、ホンマに何でも出来る、器用な人なんやなぁ・・・と感心。

録音良好ですが、フィリップスにしてはやや不満もあります。
弦の音が少し乾き気味。しっとり感が足りない感じ。
ホールトーンも、もう少し濡れたような感覚が欲しいかな・・・という気もします。
「イタリア」なので、カラッとした音の方がいいのかもしれませんが、カップリングの「スコットランド」も乾燥した音でありました。

フィリップスに期待しているのは、柔らかく濡れたような響き。
ちと不満でありました。
ただ、アンプ電源投入間もなく聴いておりますので、これが5時間後に聴いてみたら変化しているかもしれないんですが・・・・・。

<メンデルスゾーンの「イタリア」自己リンクです>
■アバド/ロンドン響(DECCA盤 1967録音)
■ストコフスキー/ナショナル・フィル
■ドホナーニ/VPO
■ショルティ/CSO
■セル/クリーヴランド管
■デイヴィス/BSO



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