泥湯三山なんて言われてもピンと来ないだろう。
秋田県の南東端、栗駒山の西隣に連なる1300m級の火山、
小安岳(1301m)、高松岳(1348m)、山伏岳(1315m)の三山を指す。
この三山には、今年6月6日に登っている。どんな山か。時間にゆとりのある方はこちらへどうぞ。
なお東隣にある栗駒山は紅葉の名山として有名だが、こちら三山は紅葉に関する情報が無かった。
どんなもんだろうと確かめるべく、登ってみた。
まずは泥湯三山に登る前、横手付近を通過していたら、夜が明け、盆地は濃霧に包まれていた。
その上には初冠雪の鳥海山が。
今日の登山目的には山伏岳山頂から初冠雪の鳥海山を見ることも入っている。
旧・稲川町に入ると、皆瀬川の谷奥に泥湯三山がよく見えるようになった。
旧・稲川町から泥湯三山。左から小安岳(1301m)、高松岳(1348m)、山伏岳(1315m)。
変哲の無い山並みだが、その手前、右側に形の好い低山が二つ並んでいる。
泥湯三山に直接関係無い話で恐縮だが、朝日を浴びた姿が素晴らしかったので、あえて紹介させて頂く。
雄長子内(おちょしね)山(470m)と雌長子内(めちょしね)山(453m)
雄長子内(おちょしね)山(470m)
7時半頃、泥湯温泉の登山口(標高約710m)に到着。
近くの展望場所から見ると、高松岳の中腹は紅葉していたが、山頂の方は青かった。
近くの展望場所から高松岳を望む。登山道は左側の小安岳斜面のスギ林やその奥のブナ林を走っている。
一応、参考マップ。初めに泥湯温泉から小安岳に登り、次いで石神分岐を廻り、高松岳へ。
避難小屋と山頂を往復し、山伏岳を経て川原毛地獄に下りて、泥湯に戻る周回ルート。
登山道を歩き出したら、渓谷沿いの樹木は紅葉していた。
その後、スギの植林地に入り、湯けむりの上がる新湯跡を過ぎると、
小安岳の山頂近くまでブナの原生林を延々と登る。
次の写真は特に印象に残ったブナの木だが、後ろに廻ったら、幹は空洞になっていた。
新湯跡から先は本格的なブナ林になる。最初に出くわした奇怪なブナの木。
奇怪なブナの木の裏側は空洞になっていた。 先ほど通り過ぎた新湯跡
中腹のブナ林の紅葉はまだ浅かった。
中腹のブナ林
上に行くに従い、葉が黄色っぽく色づいていた。
高所のブナと手前にオオカメノキ
小安岳の脇腹を掠めるようにして高度を稼ぐとある地点で樹間越しに高松岳が見えるようになる。
樹間越しに高松岳
ここから見る高松岳の上部はやはり紅葉してなかった。
紅葉してないのは紅葉する樹木が無くて笹に覆われているからだろう。
更に登り、ガレ場に差し掛かると、高松岳の右に山伏岳が見えて来る。
山伏岳。鳥海山はこの右奥に見える筈だが・・・。
こちらは山頂近くまで樹木に包まれ、紅葉していた。
ちょっと残念だったのは山伏岳の右肩に見える筈の鳥海山が無かったこと。登っている間に雲に包まれてしまった。
小安岳の稜線に達すると、東側の展望が開けて来る。
まずは北東方向に焼石岳の山なみ。
次いで真東に栗駒山だが、こちらは吹突岳(ふっつけだけ、1221m)が前面に重なっている。
南側には石神分岐越しに虎毛山(1433m)の山頂部が見えて来る。
高松岳は・・・
石神分岐付近から見た高松岳。右手前は1310mピーク。
高松岳山頂は左奥の方、避難小屋のあたりと左端の突起の2ポイント。前者の方が高いが、一般的には後者を山頂としている。
高松岳そのものや稜線上には紅葉がほとんど無かった。
これは風が強すぎて紅葉する木が育ちにくいのか、笹の勢力が強すぎるのか。
石神分岐を過ぎると、今までよく見えなかった南側の展望がワッと広がる。
圧巻なのは皆瀬川(雄物川の大支流のひとつ)源流部のブナの大樹海。
南側、皆瀬川源流部のブナの大樹海。左奥に虎毛山。
直下のブナの樹海。
ここは先日見た白神山地(記録はこちら)同様、ブナの聖地で、人家や人工物は一切見えない。
ブナ林から白く湯気が上がっていた。
登り始めに見た新湯と同じように温泉が湧き出ているのだろう。
直下のブナの樹海。湯気が見える。
高松岳の左奥には神室連峰の山並みが。
神室連峰。左から小又山、天狗森、神室山。天狗森の後ろにはぼんやりと月山。
振り返ると栗駒山。
そして小安岳。真ん中辺にさっき通り過ぎて来たガレ場が見える。
北側の眺め。
奥宮山、皆瀬川の谷間、そして横手盆地が広がる。左手前の白いところは川原毛硫黄山。
「後編」へ続く。
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