モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

真夏の森吉山は石森まで。(2013年8月3日)

2021年08月10日 | 森吉山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしてアップしたものである。)

今年(2013年)は森吉山に行くことの多い年だ。
6月16日、30日(記録はこちら)に続き、8月3日にも行ってみた。

ただし今回は足弱の家人と一緒なので、山頂には行ってない。
途中の石森まで行くので精いっぱいだった。

石森山頂手前から森吉山を望む。



今回の非合法マップ(ご注意:今回は山頂駅から石森までしか歩いていない)



石森の山頂近くには休憩場があり、ニッコウキスゲが盛りだった。

足が痛いと弱音を吐く家人もこのニッコウキスゲを眺めながらの昼餉(おにぎり)には満足していた。




ニッコウキスゲ                                       コバギボウシ
 



園芸品種のギボウシは白く初夏に咲くものが多いが、山のコバギボウシは紫味が強い。
この花が咲くと、秋近しと感じてしまう。




ニッコウキスゲの草原の下では、まだチングルマやイワカガミが咲き残っていた。




どちらの花も森吉山では6月に咲く花だが、今頃咲いてるということは、つい最近までここには雪が残っていたんだろう。

チングルマ




チングルマと森吉山                                  イワカガミとチングルマ
 



同じ場所には地味な花だが、
ハクサンオオバコも生えていた。

ハクサンオオバコ                                     イワイチョウ
 


イワイチョウはアップで見ると綺麗な花だが、花つきは良くない。丸っこい葉ばかり茂っていることが多い。
いずれも雪田に特有な花たち。

白と黄色、二色のニガナは低地のニガナとたぶん同じだろう。
高山で見てもあまり有り難味は感じないが、たまには採り上げてみよう。




6月に咲いてなかった花たち。いろいろ。

クルマユリ                                         ハクサンシャジン
 


ウゴアザミやハクサンシャジンなど。



この山のガイドブック等ではこのキキョウ科をハクサンシャジンとしているが、丈が高いので、低地のツリガネニンジンのように見える
(最近の図鑑ではハクサンシャジンを認めない、要するにツリガネニンジンと区別しないとの見解になっている)。

トウゲブキ                                      キンコウカ
 



ノギラン



ノギランは低山にも生えている。かつてユリ科だったが、最近はキンコウカ科として分離した。

地味な花が続く。

ヒトツバヨモギ                                   タカネアオヤギソウ
 


ミヤマホツツジ(奥の方にノギランの穂花)
 


花をアップで見ると、イチヤクソウの仲間に似ている(最近、イチヤクソウ科はツツジに併合された)。

秋が近くなると、草木の実にも多く遭遇するようになる。

アカモノ(ツツジ科)の実



オオバタケシマランの実姿。白いセリ科はたぶんハクサンボウフウ。
  



シラネアオイの実姿                               これはギンリョウソウの実姿
 



ゴンドラ山頂駅



ゴンドラ山頂駅付近では丈の高い黄色のキク科がいっぱい咲いていた。

ハンゴンソウかなと思い、近づいてみたら、キオンだった。秋田ではそれほど多くない。

キオン



キオン




キオンとヨツバヒヨドリ




キオン、ヨツバヒヨドリに高原の女王ヤナギランを加え、『ゲレンデ・フロラ』と名づけたい。

以上。

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久しぶりの森吉山(2013年6月16日、30日)

2021年06月18日 | 森吉山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものです。)

今年6月は、1987年以来だから、ホント久しぶり、26年ぶりに森吉山に登った。

しかも二回も。
数年前から地場メディアの報道や知人達からも花が素晴らしいとの評判を聞いており、気になってはいたものの、
長年の山離れ不摂生で脚力はすっかり衰え、それ以上に心肺機能も不安でずっと躊躇していた。
しかし今回、一念発起し、6月16日、行ってみた。
そして驚いた。登山道を歩き出した途端に

(^◇^;)あるわあるわ!シラネアオイの大名行列。

ゴンドラ山頂駅付近のシラネアオイ群生







シラネアオイも凄いが、左下の丸っこい葉はナベクラザゼンソウ(珍しい)ではないかとのご指摘を頂いた。





6月16日は上の方は残雪ばかりで花はゴンドラ駅付近以外にほとんどなかった(天気も良くなかった)ので、
石森まで行って退却。

今回は二回目、6月30日の登山で撮った写真を主体に紹介してみようと思う。
その前に今回歩いたルートを。

非合法マップ。オレンジ破線が今回歩いたルート。




1987年以前は北側のコメツガコースを、( ̄π ̄;喘ぎながら登ったものだが、

今回は二回とも楽して西側の森吉山スキー場からゴンドラを使ってみた。
すると山頂駅から石森までは30分程度、そこから山頂までは一時間程度だった。

石森の山頂近くから見た森吉本峰。山全体がアオモリトドマツやササに覆われている。



6月16日、歩き出してすぐのところに咲き乱れていたシラネアオイは、
6月30日にはほとんど終わっていたが、

6月30日のシラネアオイ。茎から出る葉は三枚、下二枚は掌状に切れ込み、柄があるが、上の一枚は丸くて小さく柄が無い。 




かわりにニッコウキスゲが。




群生を見慣れた方には、少し物足りないかもしれないが、
パラパラと咲き出したばかりのニッコウキスゲも好いものだ。

旧ユリ科でまとめてみる。

コバイケイソウやタカネアオヤギソウも咲き出していた。

コバイケイソウ
 
                                            タカネアオヤギソウ


6月16日に訪ねた時はびっしりと雪に覆われていた稜線に、
6月30日にはこんな可憐な花が咲いていた。



 
『雪形の精』とも呼ばれるヒナザクラだ。
これがあのプリムラやサクラソウの仲間だと認識するには少々時間がかかるほど、小さく可憐な花だ。
世界中でも、日本、それも東北地方の限られた山だけに産する貴重な高山植物だ。

その近場で見た花たち(けっして高山植物ではない)。

オクエゾサイシン                                   マルバマンサク

 


この山の稜線の季節ステージはまだ早春なんだと認識。

他の登山客がワッきれい!!と声を上げていたのは、




意外にもタニウツギだった。
秋田では下界にもごくありふれた雑低木だが、
高い場所で咲くと、ピンクが凝縮され、園芸品種のように色鮮やかになる。

今の時期、この山にはピンクの花が多かった。

ウラジロヨウラク



イワハゼ(アカモノ)



コケモモ




森吉山(向岳)山頂へはそれほど労せず達した。折角だから、広大なお花畑のある山人平にも行ってみよう。
その前に山頂からの眺めを。視程はイマイチだが、秋田駒ケ岳。




北東方向直下に山人平(やまうどだいら)。




山人平に行くには雪渓を降りねば・・・
( (´π`; 帰りは登らねば・・・)  

 


山人平に到着。

山人平(やまうどだいら)から山頂を望む。手前の湿地に咲いているのはミズバショウやヒナザクラ。




更に少し歩くと、やや乾燥したお花畑に達する。




そこには森吉山で一番人気のチングルマの大群生があった。

チングルマとイワカガミ



チングルマとイワカガミ



チングルマ単体                                         チングルマの実とゴゼンタチバナ。
 


ゴゼンタチバナはちっこいが、形がユニークなので良く目立つ。

ゴゼンタチバナ、コイワカガミ、ツマトリソウなど。



ちっこいキンポウゲ科二種。

ミツバオウレン                                                                                                  ヒメイチゲ 
 


ラン科二種。

ハクサンチドリ                                 ノビネチドリ(下山後、山麓にて)
 


森吉山は花の百名山にも加えられたと聞いたが、種類数では秋田駒ヶ岳や鳥海山にはとても敵わない。
しかし東北の同程度標高の山としては質量ともに豊富だと思った。


以上。

コメント (2)
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秋の森吉山は駆け足で。(2017年10月8日)

2020年10月20日 | 森吉山

本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。

10月8日は森吉山を ε=ε=へ(+´π`;)ノ 駆け足で登山した。
膝がトラブル中なのでホントはこんな登り方はいけないのだが、
(´π`;)今回はちと理由があって・・・

秋の日は短い。上り下りともにゴンドラを利用し、ゴンドラ上駅から約50分で山頂へ(コースタイム上は二時間弱)。
山頂や帰りの石森では少しゆっくりしたものの、下山もハイペースだった。
森吉山本体(向岳)は針葉樹や笹ばかりなので紅葉はほとんど無く、青いままだった 

石森から森吉山本体(向岳)を望む。

 


が、標高1000m前後の斜面のブナ林はこの通り、こんがりと焼き上がっていた。
 

朝、石森への上りから見た中腹のブナ紅葉。
 



昼近く、下山時に見た紅葉。
 



ちょっと目をずらすと紅葉と非紅葉のグラデーションがこれまた綺麗。




今回の非合法マップ




今日の森吉山はえらく見通しが好かった。


鳥海山


 


山頂からの眺め。 


山頂標と小さく岩木山                                 岩手山

 



こんなに見通しの良い日は珍しい。

折角なので、真北方向から時計回りにぐるっと眺めてみる。

竜ヶ森(1050m)と小繋森(1010m)

 



山人平を望む。奥の方は八甲田や十和田湖方面の山々。
 



ほぼ真東方向を望む。

奥の平らな山は八幡平、その手前に焼山。すぐ近くはヒバクラ岳や小池ヶ原のピーク。



東側斜面のブナもよく燃えていた。


手前は小池ヶ原のピーク、奥の真ん中、尖がりは八幡平のもっこ岳、右奥に岩手山。

 



左奥に岩手山、右奥に霞むのは早池峰山。
 



秋田駒ヶ岳と湧き雲の手前に荷葉岳(1254m) 



ほぼ南の方角。田沢湖の湖面が少し見えた。

奥の山々は左から羽後朝日岳、和賀岳、白岩岳。右奥遠くに焼石岳。
 



南西の方角には太平山地の山並み。

左から白子森(1179m)、太平山(1170m)、赤倉岳(1093m)など。


 

男鹿半島の眺めも素晴らしい。

真西の方角には男鹿半島の山なみ。
 



男鹿半島の核心部分を拡大。
奥に男鹿三山、右手前に五城目町のシンボル、森山。 



遠景ばかりで恐縮。
近くの眺めやミクロの紅葉も。

石森から一の腰を見たら、右奥に大館樹海ドーム(当時の呼び名は「ニプロハチ公ドーム」)が見えた。


 


石森から北東側の眺め。 




ノリウツギとウラジロヨウラク。
バックは森吉山本体(向岳)              ウラジロヨウラク
 
 


湿原の草紅葉

 



チングルマの草紅葉とヒカゲノカズラ                                                                エゾオヤマリンドウの残花
 



最後にゴンドラ上駅周辺のブナ紅葉を。




今回、急いだ理由はこの後、南山麓にある安ノ滝に行かなければならなかったから・・・

その模様はいずれの日にかレポートに仕立てるが、
安ノ滝とはこんな滝だ。⇒ こちら



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梅雨の晴れ間に森吉山。(2020年7月3日)

2020年07月07日 | 森吉山

秋田地方は(鳥海山に行った翌日の)6月25日以降ずっと梅雨空でお日様を見ていないが、
7月3日一日だけは梅雨の中休みとの天気予報だった。

中でも秋田県北地方は確実に晴天の予報だったので、
ここしばらく(四年間)行ってなかった森吉山に行くことにした(前回の記録はこちら)。

石森山頂手前から望んだ森吉山



阿仁スキー場のゴンドラ駅に着いて驚いた。
ゴンドラが無料らしいとの噂が有ったが、実際に行ったらその通りだった。

コロナ禍で落ち込んだ観光需要喚起を目的とした行政の粋なお計らいとのことだが、凄く得したような気分。
なんか申し訳なくて何か買おうとするが、昼飯や飲料は既に下界のコンビニで購入済みだった。
代わりに阿仁スキー場ゴンドラ駅のマスコット犬、ほっくんのぬいぐるみを買ってしまった。



本物のほっくんは(帰りに見たら)お昼寝中だった。

ゴンドラは一旦、ガスの中に入るが、ゴンドラ上駅は晴れていた。

 


今回の非合法マップ



ゴンドラ上駅近くの登山道沿いには6月、大株のシラネアオイが咲き乱れる(こちら参照)。

「シラネアオイ街道」とでも呼びたくなるほどの場所だが、残念、今回は終わっていた。

かろうじて咲き残っていた大株。


代わりにニッコウキスゲが咲き出していた。

上の方に残っていたまだ新鮮なシラネアオイ。                                          ニッコウキスゲ
 


ニッコウキスゲと森吉山


石森山頂付近から見た森吉山


石森北側の湿原


森吉山のチングルマのお花畑は定評がある。

しかし稚児平では今回、花が終わっていた。見頃はやはり6月中のようだ。



チングルマの実


他に咲いていた花たちを少し。
月山や焼石、秋田駒などに較べたら、花の種類は少ないものの、量はとても多い。
株が大きく、目いっぱい元気に咲いているという印象だった。

ゴゼンタチバナ


アカモノ


このアカモノはピンクが綺麗だった。




ガクウラジロヨウラク




ハクサンチドリ                                                                                         ハクサンボウフウ

 


ミネヤナギ



そうこうしているうちに山頂に到着。

山頂部限定のヨツバシオガマ                                                                       山頂標
 

山頂から昼飯を食べながら、山人平を見下ろす。



折角来たのだから、山人平にも足を伸ばしてみよう。

途中で見た花たち。

ヒナザクラ                                                                                                イワイチョウ
 


アオノツガザクラとイワカガミ


山人平から森吉山を振り返る。



山人平のチングルマも終わっていた



が、雪消えの遅い場所にはホンの少しだけ残っていた。

チングルマとイワカガミ


山人平から見た森吉山。


山人平からの帰りに見た八幡平。




この日は岩手山や秋田駒、鳥海山など遠くの山は雲を被っていて見えなかった。


以上。


コメント (7)
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初夏の森吉山。(2016年6月5日)

2020年04月29日 | 森吉山

スティホーム、脳内登山。本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものです。


このところ先週は太平山、その前週は真昼岳と近場で低いながらも割と脚力を要する山が続いた。

本来なら今回はもう少し遠くて難易度の高い山(例えば、神室山とか焼石岳など)に挑むつもりだったが、
思わぬ体調不良に見舞われたので断念。ゴンドラを使って楽に登れる森吉山にした。

2016/05/28 太平山山頂から見た森吉山 



朝早く出発したのはいいが、

ゴンドラが動き出すまでの時間調整で山麓の林を掻き分けてみた。

ヤマシャクヤクの花は数日前に終わっていた。



フタリシズカ                                                                                                 ゴンドラで一気に1170mの高みへ。

 


今回の非合法マップ。



森吉山は花の百名山に列せられる。

今頃の時期だと以前はシラネアオイの群生に圧倒された(こちら))が、

ゴンドラ山頂駅付近のシラネアオイ群生

 


今年はホンの少しだけ間に合わなかったようだ。

そして昨日か一昨日、猛烈な風が吹いたのか、花の傷みがひどかった。


オオバキスミレ                                                                                             シラネアオイ

 
 


それでも奇跡的に無傷に近い株を少しだけ。

シラネアオイ

 


アオモリトドマツの疎林を抜ける。
                                                 イワナシ
 


再びシラネアオイロードを進むと



ほどなくして稜線(石森の山頂脇)に出る。

ここからは向岳(森吉山の主峰)の眺めが素晴らしい。雪も少し残っていた。



ヒメイチゲ                              ミツバオウレン
 




ヒナザクラ                                                                                                   ショウジョウバカマ

 


稚児平まで登ったら、( ̄π ̄; 重大な落とし物をしたことに気づいた。
そのため、石森まで戻って探すが、落し物は拾えなかった。

森吉の名花チングルマは咲き出していたが、近づいてみると、花弁がかなり傷んでる。これも強風のせいか。

稚児平のチングルマ群生



チングルマのアップ。花が傷んでいる。




チングルマの相方的存在のイワカガミの開花はこれからと言うところ。

イワカガミ とゴゼンタチバナ



(´π`;)今回は山頂直前で引き返したりとアクシデントがあったものの

ゴンドラ駅からほぼ二時間で山頂に到着(無ければ一時間と少々か)。

森吉山山頂                                                                                          稜線上にある冠岩
 
 


山頂からの眺め。今日は雲量が多く、鳥海山や岩木山は見えなかった。

西側を望む。
左に阿仁避難小屋、右に森吉避難小屋が見える。

 

東側を望む。
左にヒバクラ岳(1326m)、右に小池ヶ原(1281m)の出っ張り。
右奥に八幡平もっこ岳、そして岩手山。 


遠く岩手山
 



冠岩から白子森、そして先週登った太平山を望む。




次はどこに登ろうか。


以上。

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