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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『しわ』観ました。

2018-06-03 16:00:00 | 劇場用アニメ
2011年・スペイン。 監督:イグナシオ・フェレーラス。 セルDVDにて視聴。
スペインの漫画家パコ・ロカによる同名作品をアニメ化。
しかしフェレーラス監督のコメント(=特典映像)にあるように、
漫画とアニメ(映画)の語法は同一ではなく、アニメに移植するに際しては
可なりの工夫・手直しが必要だったと述懐しています。
『しわ』というタイトルからわかるように、本作のテーマはずばり高齢化社会。
しかし高齢者自体が問題なのではなく、高齢者を取り巻く環境がむしろ問題なのだと
監督は指摘しています。
そして自分のような年代の者こそ現状を改善していくべき責任があると発言しています。

とてもシビアなテーマですが、必要以上に深刻にならず、しかし現実から目を
逸らすこともなく、時には明るさを感じさせつつアニメは進行していきます。
これは多くの方に広く薦めたい秀作だと感じました。

 
認知症の傾向が出て家族の手に余るようになる。   施設の玄関で息子夫婦と別れる。

元・銀行の支配人として長年を堅実に勤めあげたエミリオ。
しかし今は引退の身となり、毎日をぼんやりと過ごすことが多くなった。
最近では認知症の傾向も見え始め、ついに息子夫婦は老人施設に預ける決心をする。

 
同室のミゲルとの顔合わせ。            ミゲルに施設内を案内される。

同室のミゲル。気さくで親切な男に見えるが、実は要領よく抜け目がない。
自ら施設内をまわって案内・説明してくれるが、
老人たちの判断力低下につけこんであちこちで小銭かせぎをしている。

 
女性はいま列車で旅行していると錯覚。       気が合うエミリオ、ミゲル、アントニアの三人。

自分はいま鉄道に乗って長旅をしていると信じている女性。
ミゲルは車掌のふりをして、”検札”と称してそんな彼女から少額の紙幣を巻き上げる。
まだ頭がしっかりしている者は彼のそんな行動をたしなめるが、
まったく意に介しないようすだ。

 
2Fへの階段。症状が進んだ老人たちのエリアだ。   雨の日。暗い窓外を眺めるエミリオ。

ただそんなミゲルもニ階への階段の前では足を止め、先に進もうとはしない。
「ニ階へ行ったら、もうおしまいだ」吐き捨てるようにつぶやく。
認知症などの症状があるレベルを超え、他者の介助なしでは
生活ができなくなった者のためのエリア、それが”ニ階”なのだ。
みずからの先を思い、ときには雨のふる暗い窓外をじっと眺めるエミリオ。

”BDでは出ていない作品”となぜか勘違い。仕方なくDVDをポチったのですが、
後になってちゃんとBDも出ていると気がつきました(^^;
あちゃー、やってもーた。
でもこのDVDの場合は、わりとみやすい画質でまあまあでした。
もちろんBDには多分敵わないのですが、本作のシンプルな画調のおかげで
あまりアラを出さずにすんでいるという感じかな。

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