森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

鮫の神カモホアリイの子孫

2015年10月21日 | 神話・伝説


昨今、鮫の話題で持ちきりのハワイ。まあ、昨日のブログに書いたとおり、ワイキキの事件はウツボだったことが判明したのですが…。

鮫といえば古来ハワイでは鮫が神格化され、鮫の神にちなんだ神話もたくさん。鮫の神の子孫と名乗る一族も存在します。たとえば。カモホアリイといえば、火山の女神ペレの兄である鮫の神。遠くタヒチからペレのカヌーを先導してハワイにやってきたとされ、あのペレも深く尊敬する神でございます。

そしてハワイには、ズバリ、そのカモホアリイを名字とする人々もいます。ハワイ島ワイメアに在住するカモホアリイ一族です。

10月1日のブログで、カメハメハ大王の生涯をテーマにしたフラの公演のことを書きました。このハラウを代表する師の名前が、マイカ・カモホアリイ氏なんです(冒頭の写真の中央、一段高いところで太鼓の後ろに座っている長髪の男性がマイカさんです)。カモホアリイ氏の何代か前は、昔、王族がたくさん住んでいたワイピオ渓谷の王族の家系図を代々伝えるカフナ(神官)だったとか。つまり由緒正しき家柄です。

マイカさん自身も一族の家系の記録を引き継ぐ役目を負い、10代で、すでに100代前の先祖の名前をチャントで遡ることができたそうです。その100代前の祖先が、タヒチからハワイにやってきたそうです。

ハワイにはほかにも、ペレの家系や子孫であることを名乗る人々がいます。私は少なくとも、3人ほど知っています。また、半神半人カマプアアの子孫だという人もいます。私が思うに、ペレやカモホアリイの子孫だという人々は、確実に、タヒチ時代からの記憶を一族の間で伝える人々でしょう。ハワイでは昔から、遠い記憶がチャントやフラによって記録されてきました。

マイカさん率いるハラウによる先日の公演でも、ありきたりではないカメハメハの逸話が登場し、それはエキサイティングなものでした。この公演のため、カメハメハの落とし胤の多いハワイ島コハラやワイメアで長老などに取材し、各家に伝わる秘話を集めたそうです。マイカさん自身の家に伝わる、知られざるチャントなども披露されました。

ちなみに、この公演の話は、10日前に発売になったフラレア62号に書いております…。もし記事を読んでくださった方がいたら、感想お聞かせくださいね。ああ、もう一度あの迫力の舞台が見たい!

…最後に話がそれましたが、ハワイの鮫事件から飛び火して、今日は鮫の神のお話をシェアさせていただきました。でも鮫が神とはいえ、もう鮫の事故は起こってほしくないですが!
コメント (4)
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