森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

鮫の神の祭壇だった聖なる巨岩、ポハク・パアキキ

2024年06月01日 | 神話・伝説


先日、「ビーチに咲く伝説の花2つ」で、オアフ島東海岸のビーチを訪れたことに触れました。

なんだか小出しになってしまって嫌らしいのですが、その時に訪れたのが、今日ご紹介するカウポビーチです。子供連れで賑わう遠浅のビーチで、そこでパウ・オ・ヒイアカやイリマの花が群生しているのを見つけたのでした。

このビーチを訪れた理由は、冒頭の岩の写真を撮るため。ポハク・パアキキと呼ばれる巨岩で、その昔は鮫の神にアヴァ酒を捧げるための祭壇代わりに使われていたとか。そんなあれこれを、今日公開されたアロハストリートの連載コラムに書きましたので、ぜひご覧くださいね。

今回嬉しかったのが、このビーチを訪れた時はかなりの干潮だったので岩の様子がよ~くわかったことです。岩の底の部分まで見えそうだったため、アングルを変えながらジロジロ眺めたわけなのですが、どうしたわけか、私はこの岩から目が離せなくなってしまったのです。



ちょっと物語風にいえば、「岩が何かを語りかけてくるような気がして」という感じでしょうか。

日頃の私は霊的なものを全く感じないのですが、この岩についてはなんだか聖なるマナを感じて、写真を撮る手が止まりませんでした。不思議なことに…。

ポハク・パアキキについては新刊「ハワイカルチャーさんぽ」の中でも触れていますので、そちらも合わせてご覧くださいね。
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ビーチに咲く伝説の花2つ

2024年05月29日 | 神話・伝説


2週間前、シーライフパーク近くの東海岸で撮った写真を整理していたら。ビーチに咲く愛らしい花の写真があったのでシェアしますね。

上記のブルーの花の写真はパウ・オ・ヒイアカ。女神ヒイアカの巻物(スカート)と名の付く小さな花ですね。火山の女神ペレが、小さな赤ちゃんだった妹、ヒイアカをビーチに寝かせて海に入っていたところ、カンカン照りに。この植物が蔓を伸ばして日陰を作り、ヒイアカを守ったことから、この名がついたそうです。

この花は直径1センチもなく、小指の先ほどの大きさで。後々、たくさんのモオ(大トカゲの半神)や大鮫を退治して勇名を轟かせたヒイアカも、昔はチビちゃんだったのですネ。

もう一つは、イリマ。イリマの花で作ったレイはオアフ島を代表するレイ。そのオレンジ色が、オアフ島の象徴カラーでもあります。何でもいたずら好きの霊を引き寄せるそうで、墓場で付けてはいけないレイ、なんて言われます。プア・アピキ(いたずら好きの花)という別名があるので、そんな言い伝えが生まれたようです。



ハワイのビーチ近くでは、この2つの花がよく咲いていて。特にこのカウポビーチではパウ・オ・ヒイアカとイリマが咲き乱れていて、私はひとり、神話の世界に飛んでいってしまいました。

さらなるカウポビーチのお話については、またの機会にシェアしますね。思わせぶりでスミマセン!
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ココマリーナの過去

2024年05月15日 | 神話・伝説


こちらの写真は、ココヘッド山頂からの眺め。ちょっと遠いですが、薄いグリーンの湾の部分がココマリーナです。

今ではお洒落なマリーナとして知られますが、実はこちら、大昔は養魚池(クアパ養魚池)でした。天然のラグーンを、長さ1.5キロもの石垣で囲って造られたクアパ養魚池。それをうまく再利用してココマリーナが造られたのですね。今でも地図には、Kuapa Pondの文字が残っています。

クアパ養魚池は神話上の小人族、メネフネ族が造り上げたという言い伝えもあれば、大とかげの姿の半神、モオが守っていたという伝説も。

一般に、養魚池にまつわる伝説が多いハワイ。それだけ養魚池が重要視、神聖視されていたんだな~と、私なりに解釈しております。

さて、ここでお知らせが一つ! ハワイ州観光局の公式サイト「オールハワイ」にて、ハイアット・リージェンシー・ワイキキのカルチャーディレクターを務めるクウイポ・クムカヒさんの紹介記事が公開されました(あ、私が書いております)。

著名なシンガーである一方、ハワイ語が堪能でハワイ文化全体に造詣が深いクウイポさん。その熱くて深い想いを紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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神の似姿、ココヘッドで慌てた出来事

2024年05月14日 | 神話・伝説


またも更新ストップでごめんなさい! この間に日本にも行きましたし、帰ってきてからもあれやこれやで、沈黙の春となってしまいました。

ハワイのカルチャーに限らず、いろいろホノルルから発信したいはずなのに…習慣的に書かないと私はダメな女なんだ! と、つくづく感じています。

なのでここで、宣言させてください。これから6月いっぱいまで、毎日更新しま~す。そう、恒例の罰ゲームですね。何年ぶり? Wi-Fiの続く限り、毎日投稿します! 簡単な内容になりますが、どうぞご容赦くださいね。

ということで、今日はオアフ島東海岸の逸話をご紹介。母の日週間だったので、自由気ままに過ごしていた先週。週末は、久々に東海岸でハイキングしたり、ビーチで貝を拾ったり。ココヘッド山頂へのハイキングは1年ぶり? で楽しかったです。

…と、下りの最中、問題が発生! 夫がムズムズしているんです。トイレを使いたいよう…。でも! 断固ダメだと言い張りました。なぜって、ココヘッドは神が変化(へんげ)した聖なる山。もってのほかだと言ったのですが、なかなか聞いてくれません。なので、「その神がココヘッドに変化したのはね。ココクレーターで立小便をしたからなの。山でそういうことをしてはいけないの」と、神話による教訓話を伝えました。

あ、ココクレーターはココヘッドの中にあるのではなく、全くの別もの。お隣の山ですね。そして…。神話によれば、ココヘッドとは四大神のカネとカナロアの弟、カネアプアの変化した姿なのです。カネアプアが山で粗相をしたので、カネとカナロアが激高。自分を恥じたカネアプアは自ら山に変化したのでした(以下、新刊「ハワイカルチャーさんぽ」から抜き書きします。P128 !)

大昔のこと。カネとカナロアがカネアプアに命じました。「ココクレーターの山頂近くの泉から、水を汲んできてほしい」。その際、絶対に山で小便をしてはならないと厳命したのですが…。カネアプアは、その命令を破ってしまったのです。こっそり山で立小便しても誰にもわかるまい。そう思っての愚行だったのかもしれません。ですが不思議なことに、山頂近くの泉はそれきり干上がってしまいました(NOTE②)。そう、カネアプアは山を汚してしまったのです。 2人の兄たちはカネアプアが約束を破ったことを悟って激高し、何もいわずに山を去っていきました。 そんな自分の愚かさを心から悔やんだカネアプアは、自らを恥じて山になりました。それがあのココヘッドとか。

…この物語を知ったうえで、さらにココヘッドで立小便をする人はまずいないでしょうね。夫も聖なる山で粗相をすることはなく、無事下山したこと、ご報告しておきましょう。

※写真はココヘッドから眺めたココクレーター&ハナウマ湾です。


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コオラウ山脈を越えて行き来した2日間

2023年02月05日 | 神話・伝説


今週は2日続けてカネオヘまで行ってきました。コオラウ山脈の麓でのセミナーで、神々のお話をさせていただきましたよ~。

そんなわけで、コオラウ山脈の話も改めて勉強していたこの頃。日本と同様、ハワイにも山岳信仰があり、60キロにわたって連なるコオラウ山脈も神々しい山なんですよね。

たとえば女神ラニフリの住む山や巨人伝説の残るオロマナ山などなど、神秘の物語があちこちに残っております。

さてセミナー後はUberで家に帰ったのですが、ドライバーさんがリタイヤした元消防士さんで。コオラウ山脈にはあちこち、たくさんの洞窟があってねえ、と教えてくださいました。古代のハワイでは洞窟を埋葬場所に選ぶことが多かったのですが、そういった洞窟もたくさん見てきたとのことです。

特に王族についてはカメハメハ2世が亡くなるまで(1820年代以前)は公けの墓というのはハワイにはなく、遺体が悪人の手に渡って悪用されないよう遺体を隠すのが常でしたからね(敵の遺骨をねずみ狩りの矢じりに使って死者を冒涜するなど、実際に起こっていました)。

話戻って、元消防士のドライバーさんは、山の遭難事故などレスキュー活動で山に入ることも多かったそうです。一番よく出動したのはヌウアヌ・パリの展望台付近とか。あの辺りはハイキングのメッカでもありますし、あの崖からジャンプする人、落ちる人の話も聞きますからね…。

いつも目にしているコオラウ山脈ですが、いろいろなディープな話を聞き、改めて勉強してみたくなりました!
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