森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

ホノルル港にあったヘイアウ秘話

2015年10月24日 | 歴史


我が家から歩いて10分の場所にある、アロハタワー。ホノルル港の際にあるため、船旅時代にはハワイのランドマーク的な存在でもありました。

今、その周辺にはアロハタワー・マーケットプレースがありますが、数軒のレストランが営業中なのを除いて、大規模工事中。ゆくゆくはハワイ・パシフィック・ユニバーシティの寮として使われるほか、寮がオープンした暁には、再度カフェやレストランなどもいろいろ造られる予定だそうです。

さて、実はアロハタワーの立つ場所には昔、大きなヘイアウ(神殿)がありました。パカカヘイアウといい、16世紀以前に建てられたとか。数世紀にもわたって、オアフ島のカフナ(神官)の修行場の総本山だった場所で、塀には生贄にされた人間の頭蓋骨がたくさん飾られていた、という説もございます…。

話は変わりますが、カメハメハ大王はカウアイ島侵攻に失敗した後、カウアイ島酋長のカウムアリイと条約を結んだのをご存知でしょうか? 武力で攻めるのを諦め、代わりに「カウムアリイの生前は、ハワイ王国はカウアイ島に侵攻しない。その代わり、その死と同時にカウアイ島はハワイ王国に併合される」という内容の約束を結んだのです。

そして、なんと! その条約を結ぶため、カウアイ島からやってきたカウムアリイをカメハメハ大王が出迎え、歴史的な会合を持ったのが、このパカカヘイアウでした(オアフ島侵攻後、カメハメハはオアフ島に住んでいました)。

つまりあのカメハメハ大王が、現アロハタワーの近くを歩いていたということになりますね。なんてエキサイティングなのでしょう! 

…ヘイアウといいイオラニ宮殿といい、ホノルル・ダウンタウンには本当に歴史的な見所がいっぱい。私がダウンタウンを心の底から愛する所以です。
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