森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

神の御姿、立派なウルの木を見つけました

2013年10月31日 | 神話・伝説


娘の学校の近くに、それは素晴らしいウルの木があります。上の写真なのですが…。ウルの木というのは、パンの木のことです。ブレッドフルーツの木、ともいいますね。

ウルの実はサツマイモに似た食感の果実で、食べ応えたっぷり。そのためハワイをはじめポリネシア民族にとっては大切な植物なんです。実の大きさはメロンほどもあり、昔はタロイモの代わりにポイにして食べたり、ココナッツミルクとまぜてスイーツにして楽しんだようです。我が家のハワイアン夫は、ふかしたパンの実に砂糖とミルクを混ぜて食べるのが大好きなのですって。

そんなわけでハワイではあちこちにあり、大切にケアされているウルの木なのですが…。ハワイ広しといえど、写真のように大きく立派なウルの木を見るのは初めて。周囲の家々よりも遥かに背高く、大きく枝を広げ、しかも実がたっくさん! 大きな木全体に、メロンほどのサイズの実がいつも100個以上はなっているでしょうか(写真の右奥に見える家は、2階建てなんですよ~)。



あまりに実が重くて、下のほうの枝は地面にふれそうなほど垂れ下がっているし、周囲の道路にまで実がコロコロ転がっている、そんな見事なウルの木なんです。

そんな木を見て、私がいつも思い出すのが、ハワイでは有名な「ウルの木の伝説」です。村人を飢饉から救ったウルの木の話なのですが…。

昔々。神であるクーは自分の身分を隠して、人間達の村で暮らしていました。クーは人間の女性と結婚し、子供も産まれて幸せだったそうです。ところがある年、村をひどい飢饉が襲います。クーの家族も日に日に衰えていき、そんな様子を見て、ある時クーは家族に告げました。

「自分は今から死ぬ。地面に埋まった自分からは植物が生えてくるので、それを皆で食べてほしい」

そしてクーは両手を広げて仁王立ちになると、そのままズブズブと地中深く埋まっていきました。そのすぐ直後に大地から芽が出てズンズン大きくなり、みるみるうちに大木に。なんとそれはウルの木でした。木はやがて、家族はもちろん村全体を飢饉から救うほどたくさんの大きな実をつけ、村中の人が飢餓から救われたと…いうことです。

そんなわけで、娘を学校でピックアップし、立派なウルの木を見るたび、私は想像するのです。あの伝説に登場する木は、きっと、こんな木だったんだろうな~、と。だってこの木になる数百個の大きなウルの実は、それこそ村中の人々が分け合っても余りあるに違いありませんからね。

大昔のハワイアンは、もしかしたらこんな立派なウルの木を前に感謝の気持ちを抱き、「いつもたっぷり食糧を与えてくださって有難う! あなたはまるで神のような存在です」とかと思って、くだんの伝説を創りあげたのかもしれませんね(ちなみに娘はこの木を「神聖な木」と呼んでいます)。

素敵なウルの大木を前に、想像はひたすら膨らむのでした。


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ハレアカラ登山の夢破れて…2

2013年10月29日 | 日記


一昨日の早朝。我が家の電話が鳴りました。「こんな早くに誰?」と思ったのですが、エマージェンシーだったら大変。しぶしぶ電話を取ると、夫の友人Dからでした。「ジュン、Wは居るかい?」と、なにやら緊迫した様子です。

まさか何か悪いニュース? 急病とか事故とか…。訝りながら、まだ寝ていた夫を起こしたのですが…。5分後、電話を切った夫に聞いてみると、何のことはありません。来年のハレアカラ登山に関する話だったようです。

今年1月、「ハレアカラ登山の夢破れて」という記事をUPしました。→ここで~すここ

毎年1月の3連休、友人達と一緒に、マウイ島ハレアカラ火山のクレーターにあるキャビンでキャンプするのを、それは楽しみにしている夫。ですが今年の旅行は、マウイ島へのフライトが当日キャンセルになり、おじゃんになってしまったのでした。そのため夫と友人達は、今度こそ! と来年のキャンプ旅行を楽しみにしていたのです。

ところが電話をしてきた友人Dによると。来年1月のキャンプ旅行もまた、ダメになってしまった模様です。ハレアカラ火山のクレーターにある3軒のキャビンは連邦政府の所有。毎年、希望日時のきっかり3ヶ月前から郵便での利用申し込みが始まり、先着順で許可がおりるシステムです。友人達は全員が各キャビンにつき申し込み用紙をせっせと送って、2泊分のキャビンをリザーブしようとするのですが…。なぜか今回から、使用希望日の3ヶ月前ではなく6ヶ月前から申し込みが可能になっていたのですって。いつの間にやら規則が変わったんですね。

なので、この週末に友人Dが「そろそろ1月の旅行の申し込みをしなきゃ」と、連邦政府のサイトをふらりと覗いてみたところ。申し込みがとっくに始まっていたことが発覚。キャビンはとっくに満員になっていることを知ってガガーン! 青い顔をして(想像ですが)早朝、電話してきたというワケなのでした。

それにしても。Dの様子はなにやら、本当に緊迫していました。ただ事ではナイ、と思いましたよ、私。「だから寝ているあなたを起こしたのよ。Dが『逮捕されて今刑務所から電話してるんだ、助けてくれ』とかそういう用事で電話してきたかと思っちゃった」「僕もだよ。Dの声を聞いて『彼女が救急車で運ばれたんだ。すぐ来てくれ』とか言い出すかと思ったよ」と、夫も私と同感だったようです。Dはよほどガックリきたんでしょうね…。

そんなわけで、来年1月の旅行もおじゃんになり、リベンジならなかった夫達。そうとうガッカリしていますが、まあ仕方がありません。なので、もしも読者の皆さんのなかでハレアカラのキャビンの予約を狙っている方がいたら。今は6ヶ月前から申し込み開始なので、どうぞお気をつけてくださいね。善は急げ、ですよ~。
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ダウンタウン歴史街道ツアーに参加しました

2013年10月25日 | ハワイアナ


オアフ島ダウンタウン在住の私。今週は、張り切って「ダウンタウン歴史街道ツアー」なるツアーに参加してきました! 主宰は、東京出身のさゆりロバーツさん。

さゆりさんは「ワイキキ歴史街道ツアー」もやっていらっしゃり、数年前のこと。そのツアーを取材させていただいたことがあります。そしてそのツアーがすごく楽しかった! 私もハワイの歴史を勉強して幾年月…ですが、さゆりさんのツアーではたくさんの「知られざるハワイ」に出会うことができ。とっても勉強になったのです。

なので、ぜひダウンタウンのツアーにも行ってみたいな~と考えていたところ、このたびやっと実現したというわけです。せっかくなので、うちの近所にお住まいのピアニストでブログの女王ことチヨさんにもお付き合い願って、出かけてきました(下の写真、左がさゆりさん、右がチヨさんです)。



この日は、神奈川県、北海道から2組の御夫婦が参加され、2時間にわたって計6人の参加者を引き連れ、さゆりさんがダウンタウンの歴史どころを巡ってくれました。ハワイ州政庁内の隠れた名所で写真を撮ったり~、リリウオカラニ女王やダミアン神父、カメハメハ大王の銅像前で説明を受けたり~。



しかも州立美術館で不思議なアートの世界を楽しんだり~(注:下の写真は水面に私たちが立っているように見えますが、実はそれを模したアート作品なんです。ものすごくきれいでした!)。



ダウンタウン在住のチヨさんや私にとっても初めて、という場所にも連れて行っていただき、大充実の2時間でした! 暑いなか、後ろ歩きをしながらもろもろ説明してくださったさゆりさん、MAHALO! ややこしく小難しい文化・歴史も噛み砕き、日本人の耳に優しくさらっと、楽しく説明してくださったさゆりさん、さずがです! 私なら小難しい歴史をさらに難しく厳密に説明して、意味不明になったかもしれません…。2時間があっという間の、楽しいツアーでした。

このツアー、2時間びっちりのツアーでなんと、1人$10。ダウンタウンのツアーが毎週火曜、ワイキキが月曜・木曜ですって。ワイキキのツアーもおすすめですよ~。詳細は以下からどうぞ!

http://www.hawaii-historic-tour.com/wp/



 

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秀作「ハウマナ」鑑賞会

2013年10月21日 | ハワイアナ


毎年10月、ホノルルではハワイ国際映画祭が開催され、ハワイの映画ファンにはたまらなく嬉しいシーズンとなります。そこで私も、今年のフィナーレを飾る映画「ハウマナ」を、昨日、ハワイシアターで観てきました!

ハウマナとはハワイ語で、弟子、生徒を意味します。この映画は男性フラダンサーをテーマにしたもので、ワイキキでよくある観光チックなポリネシアンショーを担当していたハワイアンシンガーが、かつて世話になったクムフラ(フラの師)に後を託され、急遽若いダンサー達を率いることに。権威あるフラの祭典、ロイヤル・フラ・フェスティバルを目指して奮闘するという物語です。物語中では、伝統的なフラの世界から離れパッとしないエンターテナーとして酒におぼれていた彼自身の成長と、ハウマナ達との絆、頑張りを描いた秀作で、古典フラもたっぷりフィーチャーされていました。

正直、最初は真面目な、スポ根ならぬフラのド根性ものの映画なのかと思ったらそうではなく。「ハウマナ」はユーモアもたっぷりな、一級の娯楽映画に仕上がっていました。もちろん、主役をはじめ各ダンサーの葛藤(フラを踊ることを親に反対されたり、など)などドラマ的な要素もたっぷりなのですが、爆笑が巻き起こった場面もあちこちあり、我が家の高校生2人もずいぶん楽しかったようです。連れて行ってよかった!

監督はハワイ出身のケオさんなのですが、なんと彼は、私の敬愛するロバート・カジメロのフラ・ハラウ(学校)所属のダンサーなのです!(フラの世界的競技会、メリーモナークでも出場しています)。 NY在住の彼はさらに俳優として映画・TV・ステージで活躍するマルチな方。ロンドンで上演されたミュージカル「王様と私」でも主演したそうですから、もうその名声は国際的なんですネ。



そんなわけで、作品にはたくさんのフラ・ダンサーが出演していたのはもちろん(ロバートさんのダンサーがそこかしこに出ていました)、ロバートさんをはじめ多くのクムフラが、作曲や振り付け、文化アドバイザーとして関わっていたそうです。そんなユニークな作品の、昨日はハワイで初めての上映日だったため、ハワイシアターにはたくさんのクムフラが駆けつけていました(会場は超満員でした)。もちろん、ロバートさんも! 手にたくさんのレイを持ち、嬉しそうに友人達にレイを配っていらっしゃいました。愛弟子が映画監督になってフラ関連の映画を作り、そのハワイ初公開の日なんですもの。ロバートさんも誇らしい気持ちでいっぱいだったことでしょう。

この「ハウマナ」、5月にLAで開催された映画祭ではすでにいくつかの賞を獲得しているそう。これから世界中の映画祭を回る気配ですが、日本でも来年、上映の予定があるとか…。フラ愛好会に限らず、ハワイ好きは必見ですよ~。私ももう一度観たいです!
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ポップなカカアコ地区をお散歩

2013年10月19日 | 日記


うちから徒歩で30分足らず。早朝、カカアコ地区まで散歩しました。カカアコというのはワードウエアハウスやワードセンターのあるワード地区から、ダウンタウン寄りに約5分。倉庫や工場が大部分を占める、昔はいってみればアウトローな雰囲気も漂うエリアでした。

ところがここ数年、近辺に高級コンドがどんどん建ち。それに伴ってショップも増えはじめたほか、有名・無名のアーティストたちがこの地区の壁にアートを施し、今ではポップでアートな雰囲気な様変わりしています。

イエ、壁というより、建物の側面全体がカンバスとみなされているので、中には高さ7、8メートルにもなるアートも。先日、私もここでモデルさん撮影をしましたが、これからカカアコ一帯は、記念写真撮影のメッカになることウケアイです。ぜひぜひ一度、ホノルルの新名所ともいえるこのあたりをホロホロ巡ってみてくださいね! 新たなハワイに出会えますよ~(ありきたりに聞こえますが、ホントです!)。



 



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