先日、久々にホノルル美術館に行ってきました~。自宅から歩いて20分ほどなので、年間会員になっているのです。
そこで見たのが冒頭の写真。ウクレレを弾く男性のこの肖像画、けっこう有名な作品ですよね。皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか?
今回その説明書きを初めてじっくり読んだところ、なんともユニークな史実が隠れていました。作者のオランダ人画家ハバートがハワイで同作品を描いたのは、1898年。ハバートは1896年、リリウオカラニ女王の侍女としてNYに滞在していたエレノアと恋に落ち、1897年に結婚。ハワイに移り住んだのだそうです。
ハバートはその後、ホノルルのダウンタウンにアトリエを構え、ホノルル港で働くハワイアン男性と懇意になりました。その男性をモデルに描いたのが、冒頭の作品だそうです。
…1896年といえば、ハワイ王国が白人勢力によるクーデターで崩壊してから3年後。そしてリリウオカラニがハワイアンによる武装蜂起に関係しているとの嫌疑で逮捕されてから、1年後のことです(失敗に終わったその武装蜂起に、リリウオカラニは全く関与していなかったのですが)。
逮捕後、イオラニ宮殿で1年間幽閉され、釈放された後にアメリカ本土に旅立ったリリウオカラニ。急ピッチで進行中だったアメリカによるハワイ併合計画に抗議するため首都ワシントンDCを訪問したその前後に、NYにも滞在したのですよね。
リリウオカラニのワシントンDC訪問も効果はなく、ハワイは1898年にアメリカに併合されてしまうのですが…。そんな悲しい旅の最中に、オランダ人画家とリリウオカラニの侍女との間に素敵なロマンスが生まれていたとは!
2人の恋の経緯については詳細わかりませんが、いつかリサーチしてみたいですー。もし発見があったら、ご報告しますね。