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いま、ここにある気候危機

2022年09月09日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2022年9月8日

 水不足が過去500年で最悪の状況、国土の3分の1が水没…。世界各地で人びとが過去に経験したことのないような異常気象、自然災害が相次いでいます。背景にある地球温暖化の問題を指摘し、解決のための行動、世界的な協力を求める声も高まっています。

南アジア 水没する国土

 パキスタンでは、6月から続いたモンスーンの異例の豪雨で国土の3分の1が水没する洪水に見舞われています。被災者は3300万人におよび、死者は公式発表で1400人に近づいています。各地で通信手段が途絶しており、報告されていない犠牲者も多いとみられます。インドやバングラデシュでの地球温暖化による被害も甚大です。

 シェリー・レフマン気候変動相は6日、5700キロの舗装道路、246の橋が破壊され、避難民の間で下痢やコレラ、デング熱、マラリアなどの伝染病が流行する恐れがあるとして医療支援を訴えました。とくに被災者の中には65万人の妊婦がおり、支援が急務となっています。農作物や家畜の被害も深刻です。

 パキスタンは2010年にも2000万人が被災する大洪水に見舞われましたが、今回はそれを上回る被害です。今年4、5月にはインド、パキスタンで観測史上の最高気温を更新する熱波が襲来。ヒマラヤ山脈の氷河が急速に解け、膨大な水がインダス水系を流れ落ちたことも洪水を深刻にしました。

 インド北東部の各州やバングラデシュを5月に襲った洪水では、6月時点で900万人が被災し、両国で300人以上が死亡しました。モンスーンの豪雨と氷河の融解でヒマラヤ山脈に源流を持つブラマプトラ川が増水したのが原因でした。

 パキスタンやバングラデシュでは、これほどの被害をもたらした地球温暖化は、大量の温暖化ガスを歴史的に排出してきた豊かな国に責任があるとして、「損失と被害」への支払いを求める議論も強まっています。パキスタンのドーン紙6日付論評は、「地球を過熱させ、各地を水没させるところまで、製造、消費、パーティーを続けてきた諸国が責任を取るべきだ」、政府は「パキスタンの国民のために気候正義を要求すべきだ」と主張しています。

 11月にエジプトで開かれる国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)では、富裕国に対し「損失と被害」への対応を求める途上国の声が高まるのは必至です。(伊藤寿庸)

中国 深刻な水不足

【北京=小林拓也】中国は今年夏、長江流域などで連日40度を超える猛暑が続きました。国家気候センターは、観測記録がある1961年以来、最も長期間で範囲が広い、「最強の暑さ」だったと発表しました。

 中国メディアによると熱中症で倒れる人が相次ぎ、全土で少なくとも35人が死亡。山火事も頻発しています。

 長江流域では降雨が減り、干ばつが深刻化。当局は、四川省、重慶市、湖北省、江西省など9省市で、220万ヘクタールの農地が深刻な影響を受けたと明らかにしました。湖北省では77万ヘクタールの農地が影響を受け、経済的損失は58億元(約1160億円)に及ぶといいます。

 水力発電が総発電量の8割以上を占めている四川省は水不足のため停電が続きました。工場が操業停止になり、繁華街の電灯が消えました。水不足により同省で、97万人の生活が困難になりました。

 環境団体グリーンピース中国で気候変動問題を研究する李朝氏は「気候変動は未来のリスクではなく、すでにわれわれの生活や命を脅かしていることを示した。すぐに積極的な措置をとることが必要だ」と述べました。

欧州 干上がる河川

【ストックホルム=桑野白馬】欧州各国を熱波、干ばつや暴風雨が襲い、人間の命や経済を脅かしています。

 スペイン国立気象庁によると、今年6~9月の気温は30県で観測史上最高を記録しました。国内のほとんどの地域で、1980~2010年の夏の平均最高気温を2~5度上回りました。

 熱中症で亡くなる人も相次いだほか、8月31日には北東部を襲った暴風雨で生後20カ月の女児が死亡しました。

 生活インフラにも深刻な影響が出ています。英国では7月、観測史上初めて40度超の気温を記録。熱で鉄道の線路がゆがみ運行停止を余儀なくされたほか、ロンドン・ルートン空港では滑走路が隆起し、フライトが一時停止となりました。

 欧州連合(EU)欧州委員会の調査によると、欧州の渇水状況は「過去500年で最悪」となり、運送や農業界に深刻な危機をもたらしています。ドイツでは、ライン川の水位が激減し船の航行が困難に。貨物船の遅延やコスト増を招きました。

 過去最悪の干ばつが襲ったフランスのロワール川は干上がり、キャベツやジャガイモの生産が激減。収穫量が例年の半分にとどまる農家もありました。イタリア国内最長のポー川の一部も干上がり、周辺地域に非常事態宣言が発令されました。

日本 猛暑・大雨 記録ずくめ

 日本国内では6月下旬から7月初めの記録的な暑さが続きました。全国24地点で観測史上最も高い気温を更新し、東京都心では最高気温35度以上の猛暑日が9日間連続し、群馬県伊勢崎市では40度以上の最高気温を3日間観測しました。

 気象庁が8月22日に開いた異常気象分析検討会は、その要因について、上層の偏西風が日本付近で北に大きく蛇行し、上層の高気圧と地表の太平洋高気圧が強まったためだと分析。これに地球温暖化に伴う気温上昇などが加わったとみられると指摘しました。検討会の会長・中村尚会長(東京大学教授)は会見で「異常気象と捉えてもよい」との見解を示しました。

 暑さだけでなく、8月中旬にかけて東北や北陸などで記録的な大雨となりました。青森県では8月8~14日の総降水量が400ミリを超えました。検討会は8月上旬~中旬の北日本を中心とする大雨について、偏西風の蛇行が続いたことや、日本の南海上で高気圧の勢力が強い状態が続いたことでもたらされたと指摘しています。検討会は、長期的に極端な大雨の強さが増大する傾向がみられる背景に、地球温暖化による気温の長期的な上昇傾向に伴い、大気中の水蒸気量も増加傾向にあることが考えられるとしています。

脱化石燃料待ったなし

国際環境NGO FoE JAPAN 深草亜悠美さん

 気候変動による災害の激化は誰の目からも明らかで、脱化石燃料は待ったなしです。しかし先進国は、ロシアによるウクライナ戦争の影響で入手しにくくなった石炭やガスといった化石燃料の確保に熱心です。日本でもサハリンプロジェクトの継続に注目が集まり、脱化石燃料が遠のいています。

 今年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)はアフリカのエジプトで開かれます。アフリカや中東での気候変動対策や持続可能なエネルギー確保の支援を議論すべきですが、先進国がアフリカに向ける目は今、化石燃料の代替供給元としてのものです。

 気候変動対策でいえば、日本の電力不足は海外の化石燃料への依存が原因のひとつで、エネルギーの安全保障のためには再生可能エネルギーへの転換が欠かせません。無駄な電力消費も減らす必要があります。

 岸田政権は原発再稼働と新増設で電力確保と脱炭素化を目指す方針を示しましたが、莫大(ばくだい)なコストがかかりリスクも大きい原発を推進すべきではありません。

 温室効果ガスを排出しながら発展した国として責任を果たすため、国内でエネルギー源を転換し、被害を受けたパキスタンなど途上国への支援を進めるべきです。


 こちらも9月と言うのに暑い日が続いている。そろそろストーブの準備を、と思った日があったが又暑さがぶり返している。

 世界の「政治家」たちの危機感のなさである。とりわけ日本の「政治家」。



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