安倍首相の嘘と強弁が止まらない!「籠池さんは詐欺をはたらく人だから、妻は騙された」国民を騙してるのは、おまえだ!
リテラ2017.10.12
「妻は騙されてしまったのだろう」
昨晩、『報道ステーション』(テレビ朝日)で最後のテレビ党首討論が放送されたが、そこで安倍首相がついに、こんなことを言い出した。森友学園問題について、昭恵夫人は籠池泰典前理事長に騙されたと主張したのだ。
発言までの流れはこうだ。森友問題について問われた安倍首相は“籠池氏に会ったこともないし、妻も直接頼んだりしていない”と主張すると、いつもの如く「籠池さん自体が詐欺で逮捕され、起訴されました」と言い、疑惑の本丸である国有地値引き問題とはまったく関係のない補助金不正受給の話をもち出した。そして、こう言い放ったのだ。
「こういう詐欺をはたらく人物のつくった学校でですね、妻が名誉校長を引き受けたことは、やっぱり問題があったと。こういう人だから騙されてしまったのだろうと」
そもそも国の補助金不正受給に詐欺罪を適用することには法律関係者からも疑問の声があがっているが、安倍首相がここまで「詐欺、詐欺」と繰り返すとそのための「詐欺罪」だったのかと勘繰りたくなる。だいたい、騙されたも何も、安倍首相自身が籠池氏の教育を褒め、“同じ志をもった人”と言っていたではないか。2月17日の衆院予算委員会での安倍首相の発言はこうだ。
「うちの妻が名誉校長になっていることは承知をしておりますし、妻からこの森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いております」
「いわば私の考え方に非常に共鳴している方」
さらに、2015年9月におこなわれた塚本幼稚園での講演で、昭恵夫人ははっきりこう話していた。
「こちら(森友学園)の教育方針はたいへん主人も素晴らしいというふうに思っていて」
「時間があればぜひこちらにも寄らせていただきたいと言っていた」
つまり、安倍首相自身も、教育勅語を園児に暗唱させるなどの籠池氏の軍国教育を称賛していた。そうした経緯もあって、昭恵夫人はこの講演会で「籠池園長、副園長の本当に熱い熱い思いを何度も聞かせていただいて、この瑞穂の國記念小學院で何か私もお役に立てればいいなと思って」と話し、名誉校長に就任したのだ。自分たちから惚れ込んで肩入れしていたのに、これを「騙された」と言うのか。
ここまでわかりやすく自己保身のために人を裏切り手のひら返しをすること自体が人として信用ならないが、その上、安倍首相はお得意の「嘘」も連発した。
森友でも、加計でも、安倍首相は嘘とスリカエのオンパレード
そのひとつが、共産党の志位和夫委員長が話題にした、総理夫人付き職員だった谷査恵子氏のFAX問題だ。
あらためて振り返ると、籠池前理事長は2015年10月、小学校建設地の土地取引について昭恵夫人に電話をし、留守電にメッセージを残した。すると谷氏が財務省の国有財産審理室長である田村嘉啓氏に問い合わせ、回答を引き出した上で籠池前理事長にFAXで報告をおこなった。そこには〈引き続き、当方としても見守ってまいりたい〉〈本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております〉と記されている。
このFAXで財務省に伝えられた籠池前理事長の「要望」について、志位委員長は「満額回答だった」と述べたのだが、安倍首相は「反論させて」と言い出し、「夫人付きの人がFAXで訊いたことについては『満額』と仰ったが、ひとつも実現されてません」「満額ではないです」「まったく違います」と主張したのだ。
何を言うか。籠池氏がこのとき要望していたことは、その後すべて「実現」している。これは明確な事実だ。FAXで示されている「50年定借への変更の可能性」については籠池氏がもっとも切望していた土地の買い上げというかたちで翌年6月に実現しているし、「土壌汚染を理由にした賃料半額」の要望も月額換算でその通りに、さらに「工事費の立て替え払い」も年度が変わってすぐの4月6日に支払われている。どこからどうみても「満額回答」だ。
いや、「満額回答」になっていることも大問題だが、そもそも総理夫人付きという肩書きの職員が財務省から回答を引き出す、そうやって口利きしていたことも根本の問題なのだ。それを菅義偉官房長官などは「谷氏が個人でやったこと」などと責任をなすりつけ、いまでは谷氏をイタリアに“栄転”させてしまった。疑惑のオンパレードではないか。
しかし、安倍首相の嘘は、加計学園問題の話題でも飛び出した。『報ステ』の富川悠太キャスターは、安倍首相が加計学園の獣医学部新設計画を「今年の1月20日まで知らなかった」という国民が仰天した、あの発言に言及。しかも、安倍首相が「テレビが報じない」と連呼する加戸守行・前愛媛県知事の「声をかけてくれたのは加計学園だけ。愛媛県にとっては12年間、加計ありきで参りました」という証言を引き、「『12年間加計ありきで来た』と加戸さんはおっしゃっていますが、それでも総理は(加計学園の獣医学部新設計画を)知らなかった?」と尋ねたのだ。
すると、安倍首相は“それは加戸証言の一部だけ取り出している”などと非難を口にし、「それ以外にも重要な証言を加戸さんはされている」と反論。なぜか、加戸氏が“鳥インフルエンザや口蹄疫の問題を対応する獣医師の公務員や産業獣医師がいなかったが応じてくれたのは加計学園だけだった”と証言したことを強調しはじめた。
安倍首相自ら加計学園の新学部を発案していたとの証言も
質問は「12年も加計ありきで動いていたのに、ほんとうに知らなかったの?」というものであって、加戸氏が閉会中審査で語った「獣医学部誘致の経緯」とは何も関係がない。なぜ加戸証言の話になるのかさっぱり意味がわからないが、ここで富川キャスターが「それも伝えたんですが」と言うと、安倍首相はムキになって「それは伝えていないと思います。伝えていないと思いますよ」と繰り返したのだ。
しかし、これも安倍首相の嘘だ。『報ステ』は7月24日に、同日おこなわれた閉会中審査で加戸氏が今治市での獣医学部誘致の経緯についての証言や、「私は鳥インフルエンザに巡りあいまして、愛媛に獣医学部が欲しいと思いました。ちょうど県会議員と加計学園事務局長がたまたまお友だちという関係でつながった話でできあがりましたから、飛びつきました」などの証言をしっかり映像で紹介している。「伝えていない」というのは事実と異なるのだ。
だいたい、今治市と加計学園が獣医学部新設のために動いてきたその12年間のあいだ、安倍首相と加計孝太郎理事長はしょっちゅうゴルフだの会食だのバーベキューだのを繰り返してきた。また、安倍首相は加計学園グループの千葉科学大学の開学10周年を記念する式典に出席するためにわざわざ銚子まで駆け付け、祝辞を述べている。2009年の総選挙では、加計学園が安倍氏の選挙に動員すべく職員に出張命令まで出していた。くわえて、加計理事長は「自由民主党岡山県自治振興支部」の代表者として政治資金収支報告書に名を連ね、同支部の所在地も加計学園グループの予備校である英数学館岡山校の住所が記載されている。
さらに千葉科学大には、萩生田光一幹事長代行をはじめ、木曽功・前内閣参与や、井上義行・元首相秘書官、江島潔・元下関市市長といった「安倍人脈」が大量に流れ込んでいる。こうした背景について、同大の元教員は「文藝春秋」(2017年8月号)の取材に対し、同大の危機管理学部は〈安倍の発案で設置された〉と証言。しかも、この元教員自体が「安倍さんから、『教授として名前だけ貸してくれないか』と頼まれました」とも述べている。
どうだろう。たんなる友だちという域を超えて、安倍首相は加計理事長の学校運営に関与し、一方の加計理事長も安倍首相の政治活動をバックアップしてきた。そうした深い関係を築いていながら「獣医学部新設の話は知らなかった」というのは、あまりにも無理がありすぎる。そのことをずっと安倍首相は問われているのに、「誰ひとり私の指示を受けたとは言っていない」「加戸証言をメディアは報じない」しか言わないのだ。これを「丁寧な説明」と呼べるわけがない。
森友・加計問題について安倍首相があまりに同じことを繰り返すばかりに、ウンザリしている人も多いだろう。「もう、この話を聞くのはたくさん」と思っている人も多いはずだ。だが、この疑惑は、安倍首相の肥大化した権力を裏付ける重要な問題だ。「妻が騙された」のではない。いま、この男こそがわたしたちを選挙戦において「騙そう」としているのである。(編集部)
きりがないのだが、もうひとつおまけ。
卑劣! 沖縄・高江ヘリ炎上大破 民家近くの重大事故なのに、安倍首相は「安倍政権の功績」をアピール
リテラ 2017.10.12
恐れていた事故が、やはり起こってしまった。昨日、沖縄県東村高江で米軍の大型輸送ヘリコプター「CH53」が牧草地で炎上・大破した。きょう、アメリカ海軍安全センターは今回の事故を、軍内部での航空機事故における4段階の評価でもっとも重大な「クラスA」だと見解を示した。
事故は昨日の17時半ごろに起こり、近隣住民が「米軍機が墜落し、黒煙が上がった」と消防に通報。在沖米海兵隊や政府の発表によれば「飛行中に火災が発生し緊急着陸した」というが、事故当時のもうもうと立ちのぼる大きな黒煙と赤い炎の映像は、「緊急着陸」という言葉でおさまるものではまったくない。第一、事故現場から数百メートルの場所には民家があるのだ。
事実、ヘリが大破し炎上した牧草地の所有者の男性は、事故が起こった際、別の場所で農作業をおこなっていたというが、自宅は事故現場から約300メートルの場所。「その場で作業中だったら、家に落ちたらどうなっていたかと思うと本当に怖い」と語っている(沖縄タイムスより)。
また、東村高江地区の仲嶺久美子区長も、「集落の上を飛ばないでくれといつもお願いしていたにもかかわらず、現実に炎上する事故が起きて非常にショックです。これ以上、ヘリを飛ばさないでほしい」と訴えた。
そもそも、今回事故を起こしたCH53は2004年に沖縄国際大学に墜落したヘリの派生型。昨年12月には名護市安部でのオスプレイ「墜落」事故が起こったばかり。このときもやはり約300メートル先には民家があった。
そして、今回の事故。とくに高江では、国が強行して工事を進めた6つのヘリパッドが集落を取り囲んでいる。住民は騒音もさることながら、いつ事故が起こるかわからないという不安のなかでの生活を余儀なくされてきたが、今回の事故によって、恐怖が増大したことは間違いない。
しかし、そうした恐怖を、この男はまったく受け止めようとしない。安倍首相だ。
「民家近くのヘリパッド建設は負担軽減か」の質問に、安倍首相がむごい回答
昨晩、『報道ステーション』(テレビ朝日)の党首討論に参加した安倍首相は、今回の事故についてもコメント。「米側に原因の徹底究明と再発の防止を申し入れるように指示した」と淡々と述べた。
「再発防止」という、米軍による事故が起こると繰り返される空疎な言葉。昨年12月に墜落した、あのときに約束した「再発防止」ができていないからまた事故は起こったというのに、まるで他人事なコメントである。
だが、ここで富川悠太キャスターが、当然の追及をおこなった。北部訓練場の半分を返還する引き換えに高江にヘリパッドがつくられた経緯があることを指摘した上で、“安倍首相は「沖縄の負担軽減」と言うが、民家の近くでこうした事故が起こったことを考えれば、ほんとうに負担を軽減したと考えられるのか?”と質問したのだ。
すると、安倍首相は「沖縄に米軍基地が集中している現状はそのまま維持してはいけないと思っている」と言ったあと、こんなことを言い出した。
「ですが、安倍政権発足後、北部訓練場を返還してもらいました。これは沖縄が返還されてからは最大の基地の返還であります」
富川キャスターは、その北部訓練場一部返還の交換条件によってヘリパッドが集落を取り囲むようにつくられたことを「負担軽減」といえるのかと尋ねたのに、安倍首相は躊躇うことなく「安倍政権の功績」だとアピールしはじめたのだ。事故が起こった当日に、である。
そこに人が暮らし、生活を営んでいる。その上を、爆音を立てて米軍機が飛び交う。そうした異常な日常のなかで、今回の事故は起こった。にもかかわらず、いかにも選挙期間中であることを意識し、質問を無視して「安倍政権アピール」をはじめる──。高江のヘリパッド建設工事に反対する市民を暴力的に「排除」してきたことからもそれは明確だったが、今回、よりはっきりした。安倍首相は、沖縄の生活者を「命ある人間」だと認識していない。そうでなければ、このようなむごい回答ができるだろうか。
翁長沖縄県知事「このような状況を国が沖縄に強いているのが国難だ」
きょう、事故現場を視察した沖縄県の翁長雄志知事は、「悲しい、悔しい、そして怒り。いろいろな米軍関係の事件や事故を思い出しながら、どのように国に訴えていくのかを考えている」と述べ、こう語った。
「このような状況を国が沖縄に強いているのが国難だ」
北朝鮮のミサイルに対しては勇ましく抗議し危機を煽る一方で、女性が米兵に蹂躙されて殺されても、米軍機が墜落しても、安倍首相は怒りを見せない。現行憲法については「みっともない憲法ですよ」などと文句を言い募るのに、捜査も裁判権も制限されるなど占領期さながらに不平等な日米地位協定については、けっして見直そうとは言わない。こうした安倍首相の姿勢を、わたしたちは支持できるのか。
安倍首相の沖縄に対する冷酷な態度に、沖縄からだけではなく日本全国からNOを叩きつける。今回の選挙は、そうした場にしなければならない。(編集部)