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訪問介護 異例の報酬削減 小規模事業者、撤退の危機

2024年02月18日 | 生活

「東京新聞」2024年2月16日 

 「想定外で怒り心頭」「厚生労働省は現場を知らない」-。新年度からの介護報酬改定=表(上)=で、訪問介護の基本報酬が身体介護でも生活援助でも引き下げられ、介護現場から怒りや驚きの声が広がっている。同省はヘルパーの待遇を向上させるための高い加算を設けたと理解を求めるが、危機的な人手不足を緩和することはできるのか。 (五十住和樹)

◆ヘルパーが激減

 「物価高に追い打ちをかける報酬減は小規模事業者の息の根を止める。廃業が加速し、勤めていた高齢ヘルパーは他に移らず、引退する。独居高齢者は施設を探すしかなくなる」。介護事業者「NPOわかば」(東京都世田谷区)の辻本きく夫理事長(73)はこう見通す。約10年前は訪問介護が事業の8割を占めていたが、ヘルパーが激減し今は約2割に。障害福祉サービスで経営を支える。
 辻本さんによると、事業所数が多い同区でも従業員数20人以下が約7割を占め、廃業の危機は色濃い。サービス時間の短縮化で、利用者と向き合う時間がなく、やりがいを削られ、低賃金の業界に愛想を尽かすヘルパーも。今でさえ依頼があっても受けられない状態で、「訪問介護の崩壊は既に始まっている」。
 東京商工リサーチによると、昨年の訪問介護事業者の倒産は過去最多で60件、従業員数10人未満の小規模事業者が8割超を占めた。
 今月初め、介護事業者など363団体、介護職ら2千人以上の賛同を得て、関係団体などが基本報酬減額への抗議声明を公表。会見では「国はヘルパーは不要と言っている。現場は動揺している」などと訴えた。
 厚労省によると、基本報酬の削減は2015年以来。「介護事業経営実態調査」で、訪問介護の利益率が22年度決算で7・8%と、全サービス平均の2・4%を大きく上回ったことを根拠としている。

◆高利益率実態は

 だが、高い利益率には、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など同一建物内の利用者を効率よく訪問する事業者の収益が含まれる。訪問先への移動距離が長いなど大手事業者が避ける“もうからない”利用者は、小規模事業者が支えている場合が多く、両者を分けて調べないと実態がつかめないとの声は強い。報酬改定を議論した社会保障審議会介護給付費分科会でも問題になったが、同省は調査方法は変えないとしている。
 今回、介護報酬全体では1・59%のプラス改定で、うち0・98%を介護職員の賃上げに充てる。残りの0・61%の配分では、経営実態調査で利益率がマイナスだった特別養護老人ホームなど施設サービスに手厚かった。訪問介護について、同省は「人材確保に向け、処遇改善を最重要視した。加算も含めると全体ではプラス改定」と説明する。
 ただ、加算には職場環境改善などの条件があり、どの事業者も取れるわけではない。厚労省によると、全体の約1割に当たる約3千事業所が加算をまったく取っておらず、「事務作業が煩雑」などの理由を挙げている=同(下)。同省は研修会や相談員の派遣など伴走型の支援をして、加算取得を後押しする方針だ。
 社保審の分科会では、ほぼ2割の委員が訪問介護の基本報酬減額に異議や懸念を示した。委員の一人で「認知症の人と家族の会」代表理事の鎌田松代さん(66)は「小規模事業者を減らす改定に思える。訪問介護があってこそ軽度の認知症の人も1人暮らしが続けられ、介護離職を防ぐこともできる」と訴えた。
 

他人の懐には厳しいお偉方。
「賃上げ」をどのように考えておられるのか?


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