TABI LABO編集部2024.02.01
紙ストローは、人々が期待していたほどの環境貢献を成し得なかった。
振り返ること2022年4月、深刻化する海洋プラスチック汚染などの対策として日本で施行された「プラスチック資源循環法」。
環境のためという大義名分に反発する術をもたず、突然プラストローに別れを告げられた私たちは、紙ストローという得体の知れないモノになんとか慣れてやろうと、試行錯誤を重ねてきた。
もちろん、プラストロー禁止により混乱に陥ったのは日本だけではなく、世界各地で起きていた話。サンフランシスコでは罰金制度が発足したものの、紙が分厚すぎてリサイクルできずに一般ゴミとして処分されるという、本末転倒なケースも起きていたそうだ。
そんなこんなで、日本で新プラ法が施行されてから約1年半が経過。
もう、やめない?という動きが最近現れつつある。というのも、紙ストローの飲みづらさや味の変化、効果のなさという話ではない。
なんと、紙ストローに「低レベルの永久化学物質」が含まれていることが判明したのだ。
紙ストローには、ファストフードの包装紙などに用いられる熱や薬品に強い物質「ペルフルオロアルキル物質・ポリフルオロアルキル化合物(PFAS)」が含まれているらしい。『Food Additives and Contaminants』に掲載された研究論文で明かされた。
環境中で分解するまでに何世紀もかかってしまうことから「生分解性」ではないとされ、私たちの健康への悪影響も懸念されている。
これを後押しするかのように、アントワープ大学の科学者らは、環境に優しいはずだった紙ストローがPFAS汚染に寄与している可能性を示唆。
研究に参加したポーリン・ボワサック氏は、「PFASはほぼ全種類のストローに含まれ、主に植物由来の材料から作られたものに含まれていたことが判明した」と述べており、植物由来のストローは必ずしも“持続可能な代替品”と言えないことを指摘している。
同氏は最も持続可能な代替案として、再利用が可能で尚且つPFASを含まない、ステンレス製ストローを挙げている。
たしかに説得力があり、今までのような苦い思いはせずに済みそうだ。しかし、私たちが「常時ステンレスストローを持ち歩く習慣」を身につけられるか……と考えると、あまり現実的ではない予感も。
目を背けてこのまま紙ストローを使い続けるか、他の案に切り替えるのか。はたまた、全くストローを使わないという意見さえある。
どちらにせよ、紙ストローが最適解だったか否かについては、十分検討する余地がありそうだ。
⁂ ⁂ ⁂
知らず知らずの間にプラスチックを食べている、米誌調査で判明
YAHOOニュース2024.01.12(金)
ロイター
米消費者専門誌「コンシューマー・リポート」は4日、健康上のリスクがあるにもかかわらず、食品中にプラスチックが「幅広く」存在していると主張、規制当局に対し、製造過程で食品と接触するプラスチックの安全性を再点検するよう求めた。
同誌はスーパーマーケットの食品とファーストフード85種類を検査。このうち84種類に「フタル酸エステル」が含まれていた。これはプラスチックの耐久性を高めるために使用される化学物質だ。
また、食品サンプルの79%から、プラスチックに含まれる化学物質である「ビスフェノールA」などのビスフェノール類が検出された。
フタル酸エステルとビスフェノール類は、ホルモンの生成と調節を乱し、多くの健康問題のリスクを高める可能性がある。
フタル酸エステルは、いずれも米国と欧州の規制当局が定めた基準値を超えていなかった。ただ同誌によると、科学者が安全性を確認したフタル酸エステルの基準はない。
同誌は、米規制当局による再評価はもっと早く行われるべきであり、必要不可欠であるだと指摘した。
米国でペットボトル水から推定値の10〜100倍のプラスチックが検出され衝撃走る
日刊ゲンダイ ヘルスケア 2024.01.30
ペットボトルの水から、これまでの推定値の10倍から100倍の微小なプラスチック粒子が検出され、衝撃を与えています。
投棄されたプラごみが細かく粉砕されてできるマイクロプラスチックは、これまでも海洋汚染の原因として問題になっていました。マイクロプラスチックを飲み込んだ魚を食べることで、人間の体内にも入っていることも知られ始めていました。
しかし今回世界を驚かせたのは、ペットボトルの水からこれまで推定されていた10倍から100倍のプラスチック粒子が検出されたことです。コロンビア大学とラトガース大学の研究によれば、ペットボトル入り飲料水1リットル中に含まれていたプラスチック粒子は、およそ24万個でした。
検出されたプラスチック粒子のうち、約10%はマイクロプラスチックで、残りの90%はもっと小さなナノプラスチックでした。マイクロプラスチックが5ミリから1マイクロメートルであるのに比べ、ナノプラスチックは1マイクロメートル以下で、人間の髪の毛の太さの70分の1という微小なものです。
検出された粒子の一部は、浄水器に使用されているプラスチックから流出している可能性もあると、研究者は推定しています。
こうしたマイクロプラスチックやナノプラスチックが人間の体内に入った場合、どんな影響があるのかはまだわかっていません。しかしマウスを使った実験では、微小なプラスチックはマウスの血液に入り、主要組織や臓器に沈着することがわかっています。その過程で、免疫系障害、臓器障害などを引き起こすという研究結果もあります。
アメリカでは古い水道管に鉛が使われているなど、水質に不安を持ちペットボトルの水に切り替えた人が少なくありません。いったい何をどう飲めば安全なのか、ますますわからない時代になってしまいました。
(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
いよいよ明日は京都市長選挙投票日。
こちらのビデオも観てください。
立民の良識ある人たちも福山応援に立ち上がっています。
2024/02/03 京都市長選挙 福山和人候補 今出川演説