Re:

わたしがとりとめもなく
かんがえている こと。

追体験

2022-12-30 20:03:31 | something new
あなたの背までしゃがみこんで
そこからみた世界
驚くほど低く
地面が近かった

生ぬるい汗ばんだあなたの手が
わたしの手を握る

あの頃わたしは何に傷ついて何に喜んだ

決して戻れないけど
あなたを通してもう一度懐かしい道を歩いている

笑ってしまうほど真剣に食べる姿や
夢中で遊ぶ姿を

わたしを探して見つけて手を振るあなたを

今だけのあなたを
今日も隣で見守れたこと
感謝する

わたしはあなたの避難所でいたいの
最後にあなたが逃げ込める
安心できる聖域でいたい

どんな場所でもどんな時でも遊びを見つけて
底無しに明るい
そんな存在にどれほど助けられたか
どれほど学ばせてもらったか
あなたを通してわたしは「人間」を知った




砂時計

2022-12-30 19:54:54 | something new
もうこの幸せも不幸せにも
終わりがあること
明確にわかってしまうくらいに年老いたのだ

この瞬間瞬間が
吹いては去る風のように
宝箱に閉じこめることさえ叶わない
すべて消えていくだけ

最期に思い出せるように
この歩いた道も景色も風の冷たさも
全部わたしの中に残しておこう

あなたの笑顔が
わたしの中でいつまでも輝いている

今日のこの辛さも
明日の喜びも
みんな消えていくけど
だからそんなに気負わなくていい
構えなくていい

キラキラ宝石のような一粒一粒が
音も立てず落ちてゆく
光っては消え光っては消え
何も残らない

それでいい
それがいい



親愛なるあなた

2022-12-19 16:44:24 | something new
胸の中にあなたがいて
何時でも何処でも何度でも
思い描いて思い出して自由なのに

どうして
こんなに触れたいんだろう
どうしてこんなに抱き締めたくなるんだろう

顔を見たい
あなたの瞳にうつるわたしを見たい

さらさら揺れる真っ黒な髪を撫でたい

その肩を背中をさすりたい


どうして
会えなくても心の中にあなたはいて
繋がっていられるのに
どうして
涙がこぼれてしまう

会いたい
それだけ


もうこんなに焼き付いてるのに
網膜にも掌にも鼓膜にもわたしの細胞ひとつひとつにあなたがいるのに
まだ足りない

あなたを抱き締めたい

夢の中に出てきてね
わたしの頭
どうか忘れないでね

だけど触れられないなら忘れた方が楽なのか
だとしても
やはり忘れたくない

触れられない現実にもがいていたい
それすら幸せなんだと
今ならわかるから


触れたい
あなたの体温を感じていたい
あなたの息遣いを感じていたい

抱き締めると
ぴったりくっついた隅々から
流れ込んできた何かが
わたしを満たしてゆく

会いたいだけ
触れたいだけ