明日

どんな風が吹いてたって
真っ暗闇でも

ここはあんぜん

あなたのそばにいると
とろけるみたい

夢と現実の合間をたゆたう

ただただ
しあわせなだけ

指と指
触れた場所から
なにもかもがあふれてしまう

明日になったら
ここに全部置いてゆくから

ひとり
旅立つから

いまだけ
はなさないで

はなさないで

未来なんかいらない
息が止まるくらい強く抱きしめて
今があれば
それだけでいい

無題

なにも決められないまま
時だけ過ぎて

いっそ、強く流されてしまいたい

決断することは
恐ろしくて

だってもう戻ってこられない

なにも考えないでいたい
そうして
流されていたい
運命ならすべて受け入れるから

簡単に
「運命」と名付けてしまえばいい
それで全部精算出来るんだから

砂浜

少しもさびしくないのはなぜだろう

何回も濡らして

足もとをすくわれるたびに

泣きたくなるような夜は何度もあった

今日の日差しは優しすぎる

流れ着いた流木で
砂浜に書いてみて
どんなことでもいい
どうせ　ぜんぶ　波が消してくれる

濡れたっていい
すぐに乾くから

今日はなぜか
すこしもさびしくない

あなたがいないのに

葬送

１枚１枚
写真のように切り取られて

いつまで経っても現実感がない

みんな泣いてたよ

かなしいことばかり

乾ききった大地に
雨は降っても
決して潤うことはない

きれいに希望を奪われて
なにもなくなってしまった

黒い服の列が
かげろうのよう

もう、優しい言葉　聞けないね
それだけがかなしい

again

じぶんから捨てたの

わかっていても
あまりの寂しさに震える

ずっとずっと
ひとりだった
この道を
どんな日もひとりで歩いた

さよならも言わずに逃げた
あの日のさよならは今も

ずっとひとりだったこと
後悔してない
苦しいけど
それがわたしのやり方だった
生き方だった

どうして、
こっちのほうへ歩いてきたのか
幸せになれるなんて
約束も確信もなく
ただ種を蒔くくらい
雨の夜や雪の日を乗り越えて
やがて咲くだろう
意外なかたちで

信じられない奇跡や
あたりまえの日常をこなすことの尊さ

足掻いても駄目だってことを
嫌ってほど思い知らされる

それでも
それでも、悪くない

ずっとひとりで歩いてきたけど
いつの間にかここまで来てしまった
臆病風に吹かれて
いろんなことを最初から手放してたけど
それらぜんぶ
あなたが集めて、もう一度見せてくれたよ

無題

縛れば縛るほど
あなたが遠くなる

誰の心も
じぶんの心だって
おもいどおりにはならないこと
知ってるのに

そばにいてよ

言わせないでよ

いつの間に
どうしてこんなに距離ができてしまったんだろう
どうしてこんなに　孤独なんだろう

ふたり

ふたりで

あなたと過ごしてきたすべて
いつも
愛してくれた

時に不安定なわたしを
優しさでまもってくれた

ずっとずっと、守ってくれていた

どうして
荒んでいても
その身体に触れると
無限に強くなれる気がするし
穏やかになれる

こんなの知らなかった
こんなかたちの愛情は今までなかった

あなたが守ってくれるよりも
もっともっと
わたしがあなたを守りたい

新しい世界

たったいちどダメになっただけで
もうそこからずっと動けないまま

季節はめぐり
風の色が変わった
街は変化し
あったものがなくなり
なかったものが存在してる

永遠にこのまま
そう頑なに立ち止まっているのはじぶんだけ

変わりたくても変わりたくなくても
変わらざるを得ない
それが時の魔法だって
無慈悲で
ときにどんな薬よりも効く

こんな想いはもうできない
かたく閉じた扉
あの日の涙は今も鮮やかなまま

だけど、悲しいけど、
また傷つくのはわかっている
それでもいい
あたらしい世界を見たい