疾風

風を切ってスピードに乗って
どこまでもいけ

ほんの少しの不安は
拭えないけど
いつもチクッと胸を刺すけど

だけど
それでも
大きく大きく振らなきゃ
スピードは出ない
スピードが出なきゃ楽しくない


ワクワクしながら
その背を押すよ
たぶんわたしが出来るのはそのくらい

チクッと刺す胸の傷みひっくるめて
笑顔で

あなたもわたしも笑顔で
それがだいじ



怖くて走り出せなかった幼い日も
一緒に走って追いかけた日も
今は遠い昔
今はもう ひとりで大丈夫

この籠に閉じ込めておけば
傷つくこともない
その綺麗な羽根が青い空に広がることもない

さあ 行っておいで
その背中を押すよ
風を切って スピードあげて
あなたが楽しいと
わたしも楽しい

亡霊

夢はもう消えた？

夢ってこわいんだよ
無ければ持てと言われて
追いかけても追いかけても叶わず
いつまでも追いかけるものでもない

あの悔しさも挫折も
知らずに生きてくことが出来たのに

成し遂げられず宙ぶらりんになったまま

卒業して何年も経ったのに
まだ机の中に残してきた教科書みたい

いつか そう言い続けて
どこで放してしまったのか

苛まれて目覚める 朝


叶えずにいたら
誰よりも自分が赦せない
諦めた夢が悲鳴あげて追いかけてくる


古傷みたいに雨の日に疼く たまに
忘れた頃
また

あの頃

皆 おなじ場所に立っていた
あの頃が懐かしいね

皆幸せだったと思っていたけど
そうでもなかったのかな
それぞれに事情があった

あなたがいなくなる

あなたのいない日々が日常になる

わたしのすべてだった世界は
今日でおしまい

ずっとこのまま
風に吹かれて揺れているだけ

あなたもいなくなる
誰もいなくなる

あの頃が二度と還れないから
やたら輝くのか

それでもまだその輝きが明日を照らしてくれる

祭りのあと

楽しい時間はもうおしまい
誰にでも終わりはやってくる

ずっと変わらずにいられると思っていた
だけど
変わるのもいいみたい

だよ

頑なになればなるほど
ポキリと折れてしまう
ゆるゆる流されて
遠くまで運ばれる
あの小石みたいに

お祭りのあとの
耳の奥に残ってる余韻を
何回もリピートしながら帰ろう

楽しい時間はおしまい

無題

所詮その場しのぎの寄せ集め
なのにそこに運命を感じたいのはなぜ

裏切られて血を流してもまだ信じたい

ただの義務感だけでは
やりきれない

見てる方向も
思考も生き方もまるで違う
どこから来てどこへ行くのか
わからないまま
それでもふいに交じって
また離れていく
だけ

もし運命を感じられたなら
奇跡かもしれない