小春日和

いつもいつも
守っていたんじゃない
守られていた
与えていたんじゃない
もらってたのはわたしの方

ちいさなからだの中に
なにが渦巻いているの
さびしさと戦っているの

出し惜しみない愛を伝えてくれるのはいつもあなた
無償の、なんて
いつも狡いのはわたし
勝手に期待してる

ちいさなその手で
わたしを想って花束にしてくれたの

わたしは誰かのためにそんなことしてきただろうか

いつも思いしる
ひと　というもの
愛というもの
あなたを抱くと
その小さな肩
想像以上の熱いからだ
わたしが思うよりももっと奥行きのある愛で
あなたがわたしを思っていてくれること


ありがとう

いつか別々の道になるけど
いまは手を繋いで歩こう
ずっとずっと遠い未来に
今日を思い返して泣くのだろうから

消えゆく

変わらないで変わらないで
感傷にひたっていられるのも今だけ

ずっと変わらないでいられると思ってた

じぶんの知ってる人がいなくなるんじゃない
じぶんを知ってくれてる人がいなくなる

気づけば誰の助けも得られなくなる

あの人もあの人も亡くなった
あの子はどうしているかな

誰でも等しく歳を取り

再会の時に胸を突かれる

知らずにいた
じぶんは変わらないでいられると思ってた

遠く遠くなってしまった
大好きだった曲も　今は懐かしいだけ

情熱は消えたんじゃない
そこにあるだけ

あなただけが
今も隣に
その指を握るから
どうか握り返して
その熱だけが
たったひとつの真実


そっと優しく流れる風のように時は流れ
街は変わり
壊され、無くなり、また新たに建ち
繰り返し繰り返し
わたしが消えても街は生きて変わりゆくだろう

なにも残せなくても
なにも残らなくても
この街で生きて
息を吸って歩いてた

たったひとつの真実