無題

新しい出会いと、さよならを

どうしていつも別れは突然くるの？
さよならも上手に言えず
ひとりで泣くんだ

たくさんのものを捨てて
わたし自身捨てられて
誰にも拾ってもらえないと思っていた
ここでこのまま立ち止まれば・・・

だけど、どっかで
誰かが拾ってくれるんだ

希望なんかどこにもないようで
多分、いま蹴飛ばしている
そのくらい転がっているもの

ポジティブになれないわたしを
憎みながら
それでも浮上できる日を信じている

だって、
いくらでも強くなれるよ
とんと肩を押してもらって
孤独ぶってその実、孤独なんかじゃないんだから


これじゃ言い足りない
「ありがとう」

強がらなくてもいいと言ってくれた
がんばれと言ってくれた

突然におとずれる
出会いとさよならに１００万回のキスをこめて

葬送

傷ついたあなたが
歩いていくと決めていると
わたしにはよくわかる

これからのあなたの道に
たくさんの幸福がありますように

愛された記憶だけを持っていって
それだけで生きていける
敗北の歴史は今日、葬ろう

嫉妬心に苦しむあなたが
今、それを手放して自由になる

あなたを必要としてくれる人だけを想って
想ってみて

ＬＯＯＰ

ずっとずうっと
同じことを繰り返しているだけ

ＢＧＭの中を泳いで
すれ違い
忘れて

わたしだけがいつまでも憶えている

剥がれかけのポスター

期限切れのチケット

夢中になっていたのが、ゆめのよう
でも確かにあの時はそうだった
欲しかったものはなにがなんでも手に入れて


熱くなった頭を冷やして

この電車は
君のいる街には
停まらない

誰もが同じ場所にはとどまらない

わたしだけが
あの時から、ずっとずうっと同じことを繰り返して
君の忘れたことまで
憶えているんだ

無題

はじまっていた争奪戦なんだって

少しずつ距離はあきはじめて
今では、はじめから存在しなかったかのよう

ためらいの時間が密度を増して
だんだん重荷になってゆく
最初の一歩が肝心だって
あなたにならできるって

マイナス思考で
虚勢をはって笑ってみたって
できないことの方が多いし
諦めたことの方が多いし
情けない背中だって


わかっているけど、わかっているけど

「もうだめかもしれない」
を１００回越えてきたんだ

自分にはなにもないを思い知って打ちのめされて
被害者面で歩き続けた

それでも、
欠けた月が満ちるように
かさぶたがはがれるように
負った傷がいつか癒えると信じている
何回だって再生すると信じている

リセット

あとになればわかる

そうしておけばよかったって

未来のわたしにそうゆう言葉
吐かせないで
明日のわたしに背負わせないで

誰かのせいにすると、おもりはひとつ減るの？

今だったらわかる

あの言葉の意味もその表情も
未来を憂いているのはわたしだけじゃなかった

はやく、ここから、
ここ以外のどこでもいいから

世界中のどこにも理想郷はなくて
多分、どうしようもなく不公平で不平等
わたしたちは
叫びながら走りながらそれでもまだ諦めきれず

諦めないのはなぜ？
放してしまえばいい
そうしたら楽になる



だけど、リセットなんて　ありえない

あめ

模範解答を探してＷＷＷの中をさまよっている
あなたを抱きしめてくれるのは、
無責任な優しさだけ

なんでこんなに、つらいんだろう

触れてみたら熱いのは確かに感じるのに

なんでこんなに、さびしいんだろう

誰もが
孤独だと言いながら
寄り添い、歩いている
その手に
未来や家族や抱えきれないものたくさん

炎天下の道の途中
突っ立ったまんま
後ろから次々に抜かされてゆく
追い越されてゆく

なんで、こんなに


涙も汗もとまらない
足下にこぼれおちた
昨日までのわたし


誰もがそれぞれに、幸せに揺れている
そう思えて、ここにはなにもなくて

いて欲しいのに　ここに
聴いて欲しいのに
見て欲しいのに
今そうして欲しいのに


今日は降られたかった
わたしが消えて見えなくなるまで降って欲しかった

same difference

助けてあげられればいいのに
救ってあげると断言できればいいのに

孤独なあなたは
居場所もなく、部屋にいても
呼吸するたびに身体が重くなる
悲しみを吸って悲しみを吐いているだけなのだ

街中でも
人ごみでも
昼間でも夜中でも

「本当の孤独を知っている？」

こころもとない
踏み出すたびに、正しいのか間違っているのか
自分で決めなきゃいけない

誰といても
今日はひとりでも

晴れでも雨でも

なにもかもがうまくいかない


孤独に浸食されていく
このままじゃ、消える　自分が

孤独を選んだから
孤独に選ばれたのか
必然だったのか？


斜めうえ青い空の下で
見上げた
その表情が泣き出しそうで泣かなくて泣けなくて

あなたを、守れたらいいのに
手も差し出せず
わたしは思う

同じだよ
同じ痛みを共有している　わたしたちは
何等変わらない
同じ悲しみに支配されている　わたしたちは
ここにいる
あなたと同じ、わたしが
それを想ってどうか知っていて

歩き出すたび迷うなら
わたしも同じだって

一緒だって

sympathy

あなたを理解できるとは言わない

その気持ちが分かるとは言えない

でも

同じ色の悲しみがきっとわたしの中にある
同じ形の悲しみがきっとわたしの中にある

魔法使いも
王子様も
お姫様も
ハッピーエンドも　ない

し尽くせないまんまの宿題がまだ
机の上に残っている

やり残したことを数えても
これからさきの右か左選ぶことも
ここで間違えたら、もう取り返せない気がして
臆病になっている


なにもかもが　思い通りにはならない
「こんなはずじゃ」
生温い涙が伝うたびに
それだけが現実


どんなに触れたって、わからない
こころのなか

だけどある
きっとある
似た色の痛みや悲しみが
わたしの中にもある

他人

隣に立って
泣くことはできる

その背をずっと撫でてあげる

それしかできない

痛みに切り裂かれた胸が
血まみれでわめいている

それでも、

わたしはあなたになれない

決定的に違う
からだも想いも生き方も
大事にしているものも信念も
何もかもが徹底して違う

隣にいて
手を握っているよ
一緒に笑って泣くよ
１０００の言葉をかわすよ
感謝している
癒されている

こんなに、大切なのに

それでも、あなたの痛みをわたしは１００年我慢できてしまう

消失

おそろしい夢を見た

こわくて
夜中　ひとり
寝汗が乾くまで

いつもの「楽観的」なわたし
今日は眠っている
はやくでてきて
大丈夫さと笑って

行くことも戻ることもできない
どんづまり
いきどまり

いつもいつもいつも感じていた

「いらない」と言われるたび
大事なものや守っていたものが
少しずつ、消失していく
引き留めたくて、手を伸ばすけどどうしても届かないんだ

このままでいいの？

砂を噛むような時間

求めれば与えられるのが世の常だと言うけれど
これ以上どうやって求めればいいのか
望むのも祈るのも
やればやるほど
報われないやるせなさにおそわれてしまう

おそれていたものは
夢の中ではっきり形となって
わたしを襲う
暗闇の中で

わたしは
ただ、おそれている
こわがっている

誰も手を触れられないことまで
おそれている