いのり

もう、なにも見えなくても
なにも聞こえなくても

心臓が動いている限り、
「生きている」と言える？

もう指も動かせなくて
躯が冷たくて
それでも
「生きている」と？


人間らしい、ってなに
ひと　って

生を祈ったあと
死を望むのは
罪ですか

ただの現実にわたしは泣いている

大切な決断を
わたしたちはしなければいけない

尊いもの　ひとつ

愛してもらった思い出と
明日からの自分の生活
秤にかけようもない・・

「もうかわいそうだよ」
つぶやいたのは

これ以上がんばれないのは、　だれ　？

納得するまで
受容するまでの猶予をください



もう、なにも見えない
大好きなひとの　声も聞こえない

機械が生かしてくれる命に
なんの意味が

強い薬を打って
打ち続けて　それでも


誰もが立ちつくし
ただ見守るしかできず
消えてゆくものを


生まれ消えるはかなさ
切実な痛みをここに遺して

夜明け

行くべきみちが暗いなら
わたしが照らすよ

まっすぐ歩けないなら
手をつなぐよ

泣きたい時はそう言って
わたしも隣で泣くから

君の言葉に何度助けられたろう
言い尽くせないこの想い


底知れぬ孤独に怯える夜
照らしてくれるのは

針金の月

低い場所にある
赤い月

今夜の月は
三日月より細く

やがて消え見えなくなる
そしてまた現れる

尖ったままのきもち
もう、無理しなくていいよ


もう、無理しなくていいよ

捜す

わたしは、あなたの言葉なんか望んでない

奇跡に近い幸せな出逢いは
いつか、期待の持てない未来に変わりますか

迷う日に
今日を思い出そう

あなたにもらったすべてを思い出すと
勇気がでるかな？

閉じこもったまま
陽の光を避けてみても
やがて照らされれば
真実が露呈する

強いふりなど、しなくていいって

途方にくれた日に
ひとりぼっちで歩く日に
先の見えない毎日に
眩暈すら憶えるそういう日に

あなたがくれたすべてを思い出すと
また歩き出せる気がするかな？

弱ったわたしを
勇気づけるのは
過去のあなた　ですか

もう、期待に応えなくてもいい
重い荷物を下ろして　ここへ
そうして二度と戻ってこない


わたしは、
あなたを否定して、肯定し続けていた

わたしが欲しかったのは
迷った日にいつでもつかえる魔法の言葉

そういう言葉を　過去の中から
捜し続ける

褪せる

どうか、これ以上色褪せないで

わたしにとってのあなたが
褪せたように
あなたにとってのわたしも
褪せたんだろうか

めぐりあいから１年経つと
こんなものなの？
慣れてしまったの？飽きてしまったの？
他の感情があらわれはじめたの？


情熱と呼ぶからいつか冷めるの？

本についてのメモ２６

最近読んだ本

山田悠介「親指さがし」
唯川恵「病む月」
赤川次郎
「クリスマス・イヴ」
「めざめ」
「失われた少女」
「幽霊愛好会」
「砂のお城の王女たち」
「昼と夜の殺意」
「悪妻に捧げるレクイエム」
「知り過ぎた木々」
「遅れてきた客」
「哀愁変奏曲」
「インペリアル」

雫

あなたがさきに濡れるのを待っているの

彼女の歌声はわたしの道標だった
晴れにも雨にも響く
ただ　優しく　ここに響く

いっせいに駆け出そうと決めたけど
一瞬躊躇するのはなぜ

なんのために　あなたの問いに
そのこたえが欲しいのはわたしだと
こたえはあげられないけど
隣で一緒におなじ
泣けるよ

躊躇いさえ同じだと
知らなかった

あなたがさきに濡れるのを待つ必要なんてなかったんだ

嫉妬

これは嫉妬だ

選ばれなかった劣等感？
おいていかれる焦燥感？

最初から足りなかった欠陥品

常識と正論なら言わないで　わかっているから

完璧に幸福な人に
あげられる言葉なんてわたしにはない

妬んで妬んで妬み続けて疲れ果てた朝に

持ってないものをくらべて、
どこが欠けてるのかを確認して、
そしてまた妬むの？


これって嫉妬なんだ
それがこんなに苦しいんだ

幸福なあのこは　こんな気持ちにすらならずに

わたしだけ、墜ちてくんだ

ゆめ

かなわなかったんじゃない


あきらめただけでしょ？

まつりのあと

遊んだあとの片づけはしなきゃね

後始末は義務だってね

日々更新　して
晒したいもの　なんて　ない

いいわけしたあと
救われてない魂に気がつく

いつになったら息がつけるんだろう？

遊びが過ぎたの？

懐かしい思い出と踊って
いつの間にかこんなところまで

ことあるたびに
あしもとに思い出がつきまとってくる

あなたとはもう、遊べないんだよ


最後の灯りを消す時、おなじように消えるもの