大事なひとを
奪っていかないで
ふわふわ揺れるあなたの髪を見ていた
どうしてもこの先を見ていたくなった
今日という日のことを
いつか、遠い未来で話したい
春の1日
なんでもない1日
穏やかな風があなたを包む
今まで執着なんてしたことないのに
ここへ来てどうしても諦めきれない
不安で立ち尽くすけれど
たぶん隣のあなたもそうだ
だから、なんとか今日も歩いていける
ひとりじゃなくてよかった
あなたの不安はわたしの不安
あなたの希望はわたしの希望
なにもなければ、簡単に諦められるのにね
その方がどんなに楽だろう
だけどあなたを護りたい
その想いだけがずっしりと確かに感じられる重さだ
どうか、大事なひとをこんな風に奪わないで
誰もがそう祈っている