無題

もう　ひとりで泣かなくていい

それだけでたぶん
奇跡のようなしあわせ　だと思う

きっと


重さは違っても
同じ痛みを分けている
わたしたちは


あなたと出会って
わたしは
強くなれたのか
弱くなったのか

ただもう
隠れるようにしてひとりぽっちで泣かなくて済む
胸の中で泣いていい
その間はずっと抱きしめてくれてる
こどもみたいにね
お母さんやお父さんにしたみたいに
声を上げて泣いていい

わたしの涙が
あなたの頬を濡らして
そうして
あなたは自分の涙を隠すんだろう


ねえ


あなたの泣きたい日には
わたしがなんにでもなる
すべてから　まもるから


どんな痛みが降ってきても
手を離さないでいたい

欠陥品

一生懸命
不幸の証拠さがし

隣のあのことくらべて
自分の不幸を際立たせて
その落差に落ち込む

ただ、もう、なにもかもが
うまくいかないような気がして

それにあなたまで巻き込んでいる気がして

どうして、こうなんだろう？

あのこだって
あのこだって
簡単に出来ることが
わたしには出来ない

じぶんが、どうしようもなく
欠陥品に思えてくる

手さぐりで進むのも、もう無理みたい

たとえば
あなたじゃなきゃわたしは幸せなの？
わたしじゃなきゃ、あなたは幸せなの？

悩まなくて済むの？
泣かずにいられたの？

あなたの心を傷つけずにいられたの？

わたしが泣くたび
あなたは泣けなくなる
わたしを抱きしめなきゃいけないから
あなたの飲み込んだ涙はどこへいくんだろう



ただ、もう、どこにも行けない気がする