菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

雀のように舞い、文鳥のように手に乗る。 『スリ ―文雀―』

2010年02月07日 00時01分32秒 | オレは好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第200回

 

『スリ ~文雀~』(2008)


原題は『文雀』。香港で、スリを表す隠語だそうです。
英語題は『SPARROW』

 
スタッフ。
監督:ジョニー・トー
制作:ダニエル・ラム/ジョニー・トー
脚本:チャン・キンチョン/フォン・チーチャン
 

出演。
サイモン・ヤム
ラム・カートン
ロー・ウィンチョン
ケネス・チャン 
ケリー・リン



物語。
香港で、古いスタイルで仕事をする4人組のスリ一味がいた。
ある日、別々の場所で4人全員が、何者かに追われている様子の謎の美女・チュンレイに出くわす。
4人は、女の正体と目的を探ろうとする・・・。



香港ノワールの鬼才、ジョニー・トー監督による粋なクライム・サスペンス。
ジョニー・トー監督が4年の歳月をかけてつくった香港への愛溢れる小粋なクライム・モノ。
少しロマンティックで、コメディでもある。
ジョニー・トーはミュージカルを意識してつくったそう。
まさに、ミクスチャーな監督だからこそ出来たクライム・コメディ・サスペンス。


4年間、合間を縫っては撮影し続けた中で、主演のサイモン・ヤムは、髪型を基本変えられなかったのが辛かったそうだ。


ジョニー・トーがとらえたかったのは、消えていく香港の情景への賛歌だったそう。
日々変わって行ってしまう香港のウhるき良き場所をきっちり収めたカメラと制作チームの尽力に拍手。

これって、たぶんアジアの大都市すべてにいえることなんじゃないかしら?
このテーマに近いものを描いた邦画の傑作に『転々』があったなぁ。




ストーリーは少し散文的だが、あえて、想像の余地を残し、ファンタジーを強調している。
女性の行動をおおらかに見つめるのも、粋だ。


その大仰なラストの対決は、雨とスローモーションで実に神秘的で、たまりません。
こんなロマンティックなアクションシーンはなかなかないですよ。




まさに、男の意地とロマンティックを粋に描いた作品。
もうね、大好きな作品。
2009年のモニター観賞作品では1番にしてしまいました。

未公開なんて、ほんと残念。
映画館で観たかったなぁ。



 

ただ、DVDのインタビューは充実しているので、必見です。

 










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